【K-BOOK振興会便り】芸術の秋、文化の秋到来! 韓国文学を読み解くイベントや朝鮮の詩を読むイベントまで

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K-BOOK振興会便り  2022年10月号
http://k-book.org/
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◆◇今月のTOPIK◇◆

●今月のイベントをご紹介します。

10月7日:【チェッコリ オンライン】
きむ ふな&五十嵐真希
『詩人 白石(ペクソク)寄る辺なく気高くさみしく』刊行を記念して「白石を知る、語る」
http://www.chekccori.tokyo/mc-events/general/62342?mc_id=906

10月12日:【日比谷図書館 会場開催】
翻訳者が語る 世界文学への旅3
ハン・ガンの詩と小説を通して韓国文学を読み解く
講師:斎藤真理子
https://www.library.chiyoda.tokyo.jp/information/20221012-post_503/

10月13日:【チェッコリ オンライン】
尹東柱が生きた間島(カンド)、そして『東柱の時代』を戸田郁子が語る
登壇者:戸田郁子
http://www.chekccori.tokyo/mc-events/general/62810?mc_id=909

10月25日:【チェッコリ オンライン】
『となりのヨンヒさん』に描こうとしたこと、そして韓国でSF作家として生きること (韓国のSF小説を楽しむ会#5)
登壇者:チョン・ソヨン
http://www.chekccori.tokyo/mc-events/general/63490?mc_id=912

10月27日:【NHKカルチャー京都教室=オンライン】
植民地期・朝鮮の詩を読む
第2回 李箱と鄭芝溶
講師:天理大学国際学部外国語学科韓国・朝鮮語専攻教授 熊木勉
https://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_1250428.html

◆◇日本語で読みたい韓国の本◇◆

エッセイ 『みつけた、わたしの味方ーステキな人たちとの関わりの中で、いつも幸せに
(찾았다, 내 편 좋은 사람들 틈에서 언제나 행복하게)』
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●インスタグラムで17万人近くのフォロワーを持つジスによる、人間関係の悩みについて書いたエッセイ集。

人間関係に自信がなく、悩みながら自分を責めてしまうピンクのウサギが、ネズミ先生の助言やそばにいる友人たちの存在に励まされながら、
様々な出来事に向き合い成長していくという形式で話が進んでいく。
「ひとりぼっちになるのが怖かった」というウサギの本音や、「こんな人いる!」と思わずうなずいてしまうキャラクターの存在が、
人間関係の悩みをよりリアルに映し出す。
誰もが一度は経験したことのあるエピソードや愛らしいイラストの効果で、アドバイスがスッと心に響いてくる一冊だ。

みつけた、わたしの味方ーステキな人たちとの関わりの中で、いつも幸せに(찾았다, 내 편 좋은 사람들 틈에서 언제나 행복하게)

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絵本 『真夜中のおくりもの(한밤의 선물)』
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●韓紙を使った優しくて温かみのある絵によって、「一日の時の流れがもたらす自然の移り変わり」と
「分かち合いや感謝の心」の美しさを伝える絵本。目と心を癒してくれる一冊。

表紙の黒い背景に鮮やかなブルーの韓紙と真っ赤な魚のコントラスト、そして、うさぎの瞳に目を奪われる。
韓紙の端の羊毛のような毛羽立ちや繊維の風合いを活かして、うさぎの毛、山の稜線や雲などを質感豊かに、
色鮮やかに表現している。さらに、蝶や樹皮の模様、落ち葉の一枚一枚まで、
作家がどんなに心を込めてこの絵本を描いたのかが伝わってくる細やかさだ。

真夜中のおくりもの(한밤의 선물)

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自己啓発 『WEALTHINKING 富を創り出す思考の根(WEALTHINKING 웰씽킹 부를 창조하는 생각의 뿌리)』
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●地方の貧しい家庭に生まれ、ソウルの片隅で少女工として職業人生をスタートさせた著者、ケリー・チェによる、自己開発と経営思想の集大成となる1冊。

ヨーロッパ12ヵ国で30を越えるビジネスを展開し、6000人の雇用を創出するグローバル企業の会長にまでなった著者に、どんな思考があったのか。
著者が考える本当の‘富’とは?
その成長を可能にしたのが、‘Wealth=富’と‘Thinking=思考’を掛け合わせた造語‘Wealthinking=富の思考’だ。
未来の成功を目指す若い世代に、著者が発する熱いメッセージが書かれた本である。

WEALTHINKING 富を創り出す思考の根(WEALTHINKING 웰씽킹 부를 창조하는 생각의 뿌리)

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小説『再生(재생)』
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●韓国ゾンビ小説の先駆者であり「ゾンビ博士」というニックネームまである作家チョン・ミョンソプによるゾンビスリラー小説。

「ゾンビ」「タイムループ」「スリラー」が合わさり、読者をどんどん引き込む作品。主人公は彼女を救うために、
ゾンビがはびこる世の中で様々な挑戦を繰り返す。SF的要素まで盛り込まれ、没入感のあるエンターテインメント小説となっている。

再生(재생)

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◆◇日本語で読める韓国の本◇◆

『小さな星だけど輝いている』(ソユン/著 吉川南/訳 かんき出版)
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2021年、韓国で年間ベストセラーランキングに半年以上にわたり連続してランクインし、
多くの著名人が読んだと話題のエッセイ『小さな星だけど輝いている』。傷ついた過去や将来への不安と向き合い、
闘っている人々すべてを包み込んでくれるやさしいエッセイ本です。
日本語版は、作家ソユンのあたたかい言葉とともに日本の風景写真も収録されています。
訳者の吉川南さんによるメッセージをご紹介しました。

『小さな星だけど輝いている』(ソユン/著 吉川南/訳 かんき出版)

『戦争日記 鉛筆1本で描いたウクライナのある家族の日々』
(オリガ・グレベンニク /著、渡辺麻土香/訳、河出書房新社)
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ウクライナの絵本作家、オリガ・グレベンニクさんが侵攻前夜から始まる地下室での避難生活、
ハリコフ(ハルキウ)からリヴォフ(リヴィウ)、ポーランドを経てブルガリアへ逃れる過程を絵と文章で綴ったドキュメンタリー。
オルガさんの絵と文章がSNS(Instagramストーリー)で公開されているのを見た韓国の出版社が書籍化を提案し、
原書もないままに4月に韓国で刊行されました。その作品の日本語版です。
訳者の渡辺麻土香さんによるメッセージをご紹介しました。

『戦争日記 鉛筆1本で描いたウクライナのある家族の日々』(オリガ・グレベンニク /著、渡辺麻土香/訳、河出書房新社)

◆◇ 韓国の出版・本屋事情 ◇◆

教保文庫、8月の月間ベストと注目の新刊(韓国通信)

教保文庫の8月の月間ベスト10(国内小説)と注目の新刊情報をご紹介します。
1位は先月の「注目の新刊」に掲載したキム・フンの長編小説『하얼빈(ハルピン)』です。
また『아몬드(アーモンド)』の著者ソン・ウォンピョンによる新作『튜브(浮き輪)』が8位にランクインしました。
数多くの邦訳作品があるチョン・セラン、チャン・ガンミョン両作家の新作も注目を集めています。

教保文庫、8月の月間ベストと注目の新刊(韓国通信)

◆◇9月のK-BOOKらじお◇◆

韓国の本=K-BOOKを愛する皆さんに、日本で刊行された翻訳本の新刊情報やイベント情報、韓国現地からの情報、そして読者の皆さんの声をご紹介するインターネットラジオ「K-BOOKらじお」は、Apple Podcast、Spotify、YouTubeで毎週金曜日 朝9時配信中!
ぜひお好みのプラットフォームで番組登録をお願いします。

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Spotify👉 https://spoti.fi/3SgTqEB
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♯14 『戦争日記』の編集担当・竹下純子さん―ウクライナの人々に改めて思いを寄せたい
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♯15 わたし、これ読みました―Ryukiさん、趣味垢ハチドリさん、みるくさんが読んだ詩集、小説を紹介(^^♪
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♯16 麗子さんの韓国便り―お墓の造花が禁止に/韓国の独立書店が探せるサイトもご紹介
http://k-book.org/news/radio_16/

♯17 『詩人 白石(ペクソク)』評伝に挑んだ五十嵐真希さん―白石を知り、同時代の詩、作品、背景を知る一冊に!
http://k-book.org/news/radio_17/

♯18 新ジャンルの韓国文学に挑戦! 晶文社刊『ママにはならないことにしました』担当編集・深井 美香さん
http://k-book.org/news/radio_18/

__おしまいに____________________

韓国文化院で開催中だった展覧会「『朝鮮とその藝術』刊行100周年記念――柳宗悦の心と眼」を観てきました。
柳のアルバムやスケッチブック、原稿の数々から、朝鮮の美への情愛を十分に感じ取ることができました。
日本民藝館の「柳宗悦と朝鮮の工芸――陶磁器の美に導かれて」(11月23日まで)も行こうと思っています。

(運営委員:五十嵐真希)

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発行:一般社団法人 K-BOOK振興会

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