●本書のあらすじ
その日ジャン・ヒョヌは彼女にプロポーズをする予定だった。ところがその日を境に毎日ゾンビに襲われ死ぬ夢を繰り返し見るようになる。そしてそれは夢ではなく実は現実が繰り返されているのだということに気付くのだが、永遠に続くような地獄の日々を繰り返していたある日、人間のままで生き残っている赤いフードの女性を見付ける。彼女が何らかの鍵だと直感的に感じたジャン・ヒョヌは、彼女に会おうと決心する。ようやく対面した彼女に真実を見せると告げられた彼は、全く別の世界で目覚める。
そこには現実世界で両親に連れられゾンビから逃げ惑う、まだ子供の自分がいた。最後にひとりだけ生き残った彼は避難所で出会ったイ・ジュヒョンという少女と共にゾンビと戦う要員として訓練を重ねる。人々がゾンビに変身した原因を探ると、人類に逆恨みをした『ゾンビの王』がゾンビ達を操っていることがわかった。12年という歳月の末に『ゾンビの王』が南極にいることを突き止めた彼等は王を倒すためにそこへ向ったが、発見した王の肉体は既に朽ち果てていた。人間の意識を仮想現実の中に送り込む技術を使って王がゾンビ達を操っていると知ったジャン・ヒョヌは、仮想現実の中に入り王を倒すことにする。そうして再び仮想現実の中に戻った彼は目の前の赤いフードの女性こそが『ゾンビの王』だと気付き、王を倒すことに成功する。現実世界ではイ・ジュヒョン達がこれ以上ゾンビの攻撃を防ぎ切れないと覚悟をするが、そこで突然ゾンビ達が倒れ始める。計画が成功したのだ。そして現実へと戻ったジャン・ヒョヌは、イ・ジュヒョンにプロポーズをすることに成功する。
●目次
プロローグ 特別な一日
また別の一日、最初の日
また別の一日、二日目
また別の一日、三日目
また別の一日、四日目
また別の一日、五日目
また別の一日、六日目
また別の一日、七日目
また別の一日、八日目
また別の一日、九日目
また別の一日、十日目
ゾンビの王
南極で
最後の再生
●日本でのアピールポイント
日本でも有名なドラマ「馬医」が小説化された際に共同執筆を行った作者はこれまで共著を含め130冊余りの本を書き、絶大な執筆数を誇る。歴史、推理、終末、ゾンビに至るまで、様々なジャンルや素材を行き来しながら作品を発表しているが、本人曰く「推理小説が自分のアイデンティティ」だという。最近は『今、私たちの学校は…』『君と世界が終わる日に』など日本・韓国でゾンビブームが起こっており、タイムリーな題材だと言える。
(作成:繭羽)