【K-BOOK振興会だより】秋はイベントも盛りだくさん/日本語で読める韓国の本も続々登場中!

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K-BOOK振興会便り  2023年10月号        http://k-book.org/
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◆◇今月のTOPIK◇◆

●フェア情報●
第31回神保町ブックフェスティバル2023
10月28日(土)〜10月29日(日)10:00~18:00
神田すずらん通り、さくら通り、神保町三井ビルディング公開空地

●イベント情報●
10月5日(木):【チェッコリ/会場+オンライン】
ささきの部屋Vol.32-映画ライター佐藤結さんに聞く―初の小説翻訳の喜びと発見の先に見えたものとは?
ゲスト:佐藤結
https://chekccori231005.peatix.com/

10月7日(土):【葉々社/会場】
葉々社ブッククラブ 第二回読書会 課題図書『サイボーグになる』
https://twitter.com/youyousha_bc/status/1703736463316394156?s=20

10月13日(金):【CAVA BOOKS/会場】
第2回京都文学レジデンシー開催記念 カン・バンファ×菅原百合絵 トークイベント「ふたつの言葉と文学」
登壇者:カン・バンファ×菅原百合絵
聞き手:藤枝大 書肆侃侃房

10月17日(火):【神戸学生青年センターウエスト100 /会場】
[朝鮮史セミナー] 趙世煕『こびとが打ち上げた小さなボール』との出会い
登壇者:斎藤真理子
https://ksyc.jp/seminar/ts-20231017/

◆◇日本語で読みたい韓国の本◇◆

小説 『体と女性たち(몸과 여자들)』
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●「体」についてセクシュアリティの視点から語る小説

1983年生まれの「私」と1959年生まれの「母ミボク」による独白形式の小説。
第1章は「私」が、痩せた体のせいでいじめられた小学校時代や、大人になって恋人にセックスを強要され、結婚してからは婚家から子づくりを要求され、
自分の体なのに自由になれない拒否感を語る。
第2章は「母ミボク」が、美しさ故に異性から向けられる性的な目への拒否感、女性に教育は不要と断言する父への反発、
誰にも語れない水商売の過去などを語る。
第3章は離婚後の「私」が、料理教室で親しくなった二人の女性の話を例に、「自分の体は誰のものなのか」を問い続ける。

体と女性たち(몸과 여자들)

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人文 『SFは最高なのに(SF는 정말 끝내주는데)』
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●SFコラムニスト、シム・ワンソンによる、SF解体新書

『スターウォーズ』シリーズなど様々なSF小説を紹介しながら当時の時代背景を語ると共に、SFというジャンルがどのように時代を反映し、
成長して来たかを考察する。SFにおいて女性作家がどのように受け入れられてきたかも語られる。有名な古典作品、
受賞作品の紹介(スタートレックについての考察も面白い)、SFから見る様々な未来のかたちや、近年の韓国におけるSF作家も取り上げられる。
SFに初めて触れる人には異なる時代、異なる種類の作品を満遍なく知ることができ、SF好きにとっても過去と未来を繋ぐSFの流れをつかむことのできる
貴重な一冊。

SFは最高なのに(SF는 정말 끝내주는데)

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エッセイ 『姉さんがいるのは羨ましいね(언니가 있다는 건 좀 부러운걸)』
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●ドラマ評論家の著者によるドラマエッセイ

ドラマ評論家の著者キム・ミンジョンは人生においてアドバイスが必要な時はドラマを観るという。そんな彼女が実際に勇気をもらった作品について語る。
各章はドラマの名ゼリフで始まり20歳から40歳まで1歳刻みで各年齢の女性たちが登場する。
恋と友情の間で揺れる21歳、本当の大人にならなければいけない重圧を感じる30歳、幻想の特急列車に乗車しているようにめまぐるしく変化する35歳……。
予想外のアクシデントや激しい感情変化を経験するドラマの中の女性たちこそが、著者にとっての「姉さん」なのだ。
取りあげる作品の数は41作品。まさにドラマ辞典。

姉さんがいるのは羨ましいね(언니가 있다는 건 좀 부러운걸)

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エッセイ 『私達は文字が分からないだけで、人生を知らないわけではない (우리가 글을 몰랐지 인생을 몰랐나)』
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●80歳前後のおばあさんたちによる感動と涙の人生日記

女だから、あるいは生活の貧しさから文字を学ぶ機会を失ったおばあさんたち。生きていくだけで精一杯で、
夢があっても夢見ることすらできなかったひとたちが、おばあさんになってようやく自分だけのための時間を作り、文字を学び始めた。
自分の名前と住所を書けるだけでも、この上ない幸せだったが、もう一度勇気を振り絞り、今度は絵を学んだ。
線を引き、丸や四角から描き始め、今までの人生や周りの人々、風景などを何十枚も、何百枚もの絵と文字で語った。
順天(スンチョン)に住む20名のおばあさんたちが聞かせてくれる、胸が詰まるような感動の人生ストーリーを丁寧にまとめ上げた一冊だ。

私達は文字が分からないだけで、人生を知らないわけではない (우리가 글을 몰랐지 인생을 몰랐나)

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◆◇日本語で読める韓国の本◇◆

『​暗殺コンサル』(イム・ソンスン/著、カン・バンファ/ 訳、ハーパーコリンズ・ジャパン)
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“会社”に作家として雇われながらも、実は殺し屋という主人公。偶然を装った自然な死に見える殺人の筋書きを描くことで高給を受け取りながら、
“会社” に振り回されるという予想を裏切り続けるストーリー展開。
単なるノワールでない新しい世界観が堪らないミステリー好きにおすすめの作品。
訳者のカン・バンファさんによる推薦コメントをご紹介しました。

http://k-book.org/yomeru/230906/

『すべての人にいい人でいる必要なんてない』(キム・ユウン/著、西野 明奈/訳、かんき出版)
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ここ数年、韓国から「自分らしく生きること」が謳われたエッセイが届き、日本でも大人気となりました。
そして今は、さらに一歩進んで、自分と他人との関係に悩む人々への優しい言葉が届いています。
自分を見失わずに自分の心を守るための82のエッセイが心に明かりを灯してくれるようです。
訳者の西野明奈さんによる推薦コメントをご紹介しました。

『すべての人にいい人でいる必要なんてない』(キム・ユウン/著、西野 明奈/訳、かんき出版)

『人間として最良のこと as a person』(キム・ヘナム著、バーチ美和訳、日経BP)
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精神科医であり、精神分析医でもある著者キム・ヘナムが伝える豊かな人間とは何か、どうしたら幸せな人生になれるのかを解説する人生指南書です。
プロローグのタイトル「大人になるための間がない時代」という一言でまず大きく頷いてしまいました。
そして全編を通して「成熟」という言葉をキーワードにさまざまな視点から、わたしたちの生活に寄り添ってくれる一冊になってくれるようです。
訳者のバーチ美和さんによるメッセージをご紹介しました。

『人間として最良のこと as a person』(キム・ヘナム著、バーチ美和訳、日経BP)

◆◇ 韓国の出版・本屋事情 ◇◆

教保文庫、8月の月間ベストと注目の新刊(韓国小説)
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1位は日本でも人気のチェ・ウニョンさんの新作小説集です。
また、コンビニやコインランドリーなど身近な場所を舞台にした「ヒーリング小説」も続々と刊行されています。

教保文庫、8月の月間ベストと注目の新刊(韓国小説)

教保文庫、8月のエッセイ月間ベストと注目の新刊
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韓国で人気の赤ちゃんパンダ、プーパオのフォトエッセイが人気を集めています。
注目の新刊では、『鳥のおくりもの』『美しさが僕をさげすむ』などで知られるウン・ヒギョンの散文集を紹介しました。

教保文庫、8月の月間ベストと注目の新刊(エッセイ)

◆◇8月のK-BOOKらじお◇◆

♯63 削除したいと思うほど辛かった翻訳作業も読者からの言葉で報われた 中野宣子さん - わたし、これ訳しました
http://k-book.org/news/radio_63/

♯64 忙しい時代の拠り所となる雑誌でありたい 総合雑誌『世界』編集長・堀由貴子さん ― わたし、これ担当しました
http://k-book.org/news/radio_64/

♯65 BTSの音楽論からファンダムに思いを馳せる / キム・ソンジュンの文学という福音
http://k-book.org/news/radio_65/

♯66 骨肉腫を克服したキム・ジギョンさんがみんなに伝えたいことを一冊の本に- 麗子さんの韓国便り
http://k-book.org/news/radio_66/

♯67 推し本は『カメラを止めて書きます』 自分が“知らないことが多い”ことに驚かされます。
TOUTEN BOOKSTORE 古賀詩穂子さん - わたし、これ推してます
http://k-book.org/news/radio_67/

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__おしまいに____________________

K-BOOKフェスティバル2023に韓国からお越しになる予定の「本の村ヘリ」。
村長のイ・デゴンさんから頂戴したメールに、「降り続く雨の間からトントントンと秋がノックする音が聞こえてきます」と、
詩人のような味わい深い文章がありました。
日中はまだ気温が高めですが、秋の音にしっかり耳を傾けていきたいです。
(運営委員:五十嵐真希)

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発行:一般社団法人 K-BOOK振興会

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