教保文庫の8月のエッセイ月間ベスト10と注目の新刊情報をご紹介します。今月は、韓国で人気の赤ちゃんパンダ、プーパオのフォトエッセイが人気を集めています。また注目の新刊では、『鳥のおくりもの』『美しさが僕をさげすむ』などで知られるウン・ヒギョンの散文集を紹介しました。
1位:『나는 너랑 노는 게 제일 좋아(僕は君と遊ぶのが一番好き)』ハ・テワン(ブックロマンス/2023.07.17)
2位:『당신은 결국 무엇이든 해내는 사람(君は結局何でもやり遂げる人)』(10万部記念特別リカバーエディション)キム・サンヒョン(Feelm/2022.04.20)
3位:『아기 판다 푸바오(赤ちゃんパンダのプーバオ)』エバーランド動物園(シゴンジュニア/2023.07.20)
プーバオは2020年に韓国初の自然繁殖で生まれたジャイアントパンダで、その愛くるしい姿が人気を集めています。本書は、プーバオの成長過程を記録すると同時に、動物たちに向けられる飼育員の温かな視線を感じることができるフォトエッセイです。プーバオは2024年7月に中国に返還される予定になっていますが、韓国内外から「ずっと韓国にいさせてあげてほしい」という声が上がっています。
4位:『기분이 태도가 되지 말자(気分が態度にならないように)』キム・スヒョン(ハイスト/2022.11.25)
5位:『그럴 수 있어(そういうこともあるよ)』ヤン・ヒウン(ウンジン知識ハウス/2023.07.04)
6位:『좋은 일이 오려고 그러나 보다(いいことが起こる前触れだよ)』パク・ヨルム(ヒウッ/2023.07.26)
誰もが「いいことしか起こらない」人生を望みますが、別れや失敗などのつらい経験を避けて生きるのは難しいでしょう。本書は、さまざまな経験をしてきた著者の経験に基づいて、試練や困難こそがいいことが起こる前触れであり、それを乗り越えると「いい人」になれるという希望を語ってくれます。
7位:『감정은 사라져도 결과는 남는다(感情は消えても結果は残る)』イ・へイン(Feelm/2023.06.15)
8位:『늘 너의 편이 되어줄게(いつも君の味方だよ)』キム・ガヨン(ガヨイキウギ)(チョウンブックス/2023/.07.31)
著者は、約70万人の登録者数を誇るチャンネル「ガヨイキウギ」を運営するユーチューバーで、ポジティブな言動が視聴者らの人気を集めています。他人と比べて不安になり、自分はうまくやっているのだろうかと悩む読者に、自分軸を持つことの大切さを教えてくれます。
9位:『나는 죽을 때까지 지적이고 싶다(私は死ぬまで知的でありたい)』ヤン・ウォングン(ジョンミンメディア/2023.06.15)
10位:『망그러진 만화(いびつなマンガ)』(桜エディション)ユラン(チョウンセンガク/2022.11.01)
注目の新刊
『사소한 추억의 힘(些細な思い出の力)』タク・ヒョンミン(メディチメディア/2023.08.21)
著者は公演演出家でありながら、文在寅政権下で儀典秘書官を務めるなど、多彩な経歴の持ち主です。本書は、2013年のパリでのエピソード、2014年の済州島で書いた話、そして大統領府を去った後の出来事をつづった文章をまとめた散文集です。著者に影響を与えてきたのは大きな事件などではなく、日常の些細な出来事であったと語っています。
『또 못 버린 물건들(また捨てられないものたち)』ウン・ヒギョン(ナンダ/2023.08.31)
『鳥のおくりもの』(橋本智保訳/段々社)、『美しさが僕をさげすむ』(呉永雅/クオン)などで知られる著者の12年ぶりの散文集です。『月刊チェンネル・イエス』に連載された原稿を手直しして出された本書には、効率的とは言えないけれど、共に時間を過ごしてきた捨てられないものたちについての散文24編が、著者自身が撮影した写真と一緒に収められています。小説から引用された文章がちりばめられているので、ファンにはたまらない一冊になるでしょう。(文/金知子)