教保文庫、9月の月間ベストと注目の新刊(エッセイ)

教保文庫の9月のエッセイ月間ベスト10と注目の新刊情報をご紹介します。1位には、韓国の前法務大臣チョ・グク氏の娘であるチョ・ミンのエッセイがランクインしました。注目の新刊では、『歳月』(橋本智保訳、新幹社)などで知られるチョン・ジアのエッセイを紹介しています。

1位: 『오늘도 나아가는 중입니다(今日も前進している途中です)』チョ・ミン(2023.09.19/チャムセチェッパン)
著者は、かつて日本でもマスコミに大きく取り上げられた韓国の前法務大臣、チョ・グク氏の娘で、現在はユーチューバーやインフルエンサーとして活動しています。本書は著者初のエッセイで、「誰かの娘」ではなく「チョ・ミン」として生きていくために、自分自身や世の中に向き合う話が収められています。表紙の絵も、著者自身が描いたものです。
2位:『기분이 태도가 되지 말자(気分が態度にならないように)』キム・スヒョン(ハイスト/2022.11.25)
3位:『불안(不安)』アラン・ド・ボトン/チョン・ヨンモク訳(2012.01.04、初版:2011.12.28/ウネンナム)
著者はロンドン在住の哲学者、エッセイストで、日本でも本書(邦題『もうひとつの愛を哲学する―ステイタスの不安』安引宏訳、集英社)をはじめとして、邦訳書が多数出版されています。韓国国内の販売部数が40万部に達したことを記念して出された本書は、教保文庫の特別リカバー版です。現代人の欲望や不安の心理を鋭く分析し、そこから脱け出すための方法を提示しています。
4位:『푸바오, 매일매일 행복해(プーバオ、毎日毎日幸せだよ)』エバーランド動物園(シゴンジュニア/2023.09.20、初版2023.09.10)
8月に3位にランクインした『아기 판다 푸바오(赤ちゃんパンダのプーバオ)』に続いて出版された本書は、2部構成になっています。1部ではプーバオの誕生から独り立ちをするまでの過程が、2部ではお母さんパンダや飼育員の助けなしに日常を送るプーバオのエピソードが、写真と共に収められています。本文の中にあるQRコードを読み取ると、動画が見られる特典もついています。
5位:『당신은 결국 무엇이든 해내는 사람(君は結局何でもやり遂げる人)』(10万部記念特別リカバーエディション)キム・サンヒョン(Feelm/2022.04.20)
6位:『아기 판다 푸바오(赤ちゃんパンダのプーバオ)』エバーランド動物園(シゴンジュニア/2023.07.20)
7位:『좋은 일이 오려고 그러나 보다(いいことが起こる前触れだよ)』パク・ヨルム(ヒウッ/2023.07.26)
8位:『나는 너랑 노는 게 제일 좋아(僕は君と遊ぶのが一番好き)』ハ・テワン(ブックロマンス/2023.07.17)
9位:『행복이 어떤 건지 가끔 생각해(幸せってどういうものなのか、ときどき考える)』コ・ヨンベ(2023.09.15/ブックフォリオ)
バンド、SORAN(ソラン)のボーカルである著者初の書籍となる本書は、愛や感謝はもちろん、申し訳なさなどの感情を言葉で表現すれば、幸せが積み立てられていくという著者の考えをベースに、音楽を始めたきっかけや、SORANの結成秘話、家族の話などが収められています。本書のタイトルは、SORANの『幸福』という曲の歌詞に登場します。
10位:『꽃은 누구에게나 핀다(花は誰にでも咲く)』オ・ウンファン(ブックロマンス/2023.09.19)
高麗大学の大学院に在籍中の著者は、人気講師、CEO、ユーチューバーなど、多彩な顔を持っています。本書では、誰もが人生の花を咲かせることができると信じる著者が、本当の自分を探し、人生をアップグレードする方法を伝えます。本に収録されたブルーミングノートを活用すると、「本当の自分の気持ち」に出会えるでしょう。

注目の新刊
『마시지 않을 수 없는 밤이니까요(飲まずにはいられない夜だから)』チョン・ジア(マイディアブックス/2023.09.07)
『歳月』(橋本智保訳、新幹社)や『父の解放日誌』(チャンビ、未邦訳)で知られる著者初のエッセイ集です。「愛酒家」として知られる著者が、これまでに出会った酒や人物について書いた34編のエッセイが収められています。社会主義者だった父との思い出、日本をはじめとした海外での波乱万丈なエピソードなどが、ユーモラスかつ大真面目に語られます。(文/金知子)