『人間として最良のこと as a person』(キム・ヘナム著、バーチ美和訳、日経BP)

精神科医であり、精神分析医でもある著者キム・ヘナムが伝える豊かな人間とは何か、どうしたら幸せな人生になれるのかを解説する人生指南書です。プロローグのタイトル「大人になるための間がない時代」という一言でまず大きく頷いてしまいました。そして全編を通して「成熟」という言葉をキーワードにさまざまな視点から、わたしたちの生活に寄り添ってくれる一冊になってくれるようです。
翻訳者のバーチ美和さんから推薦のコメントを頂戴しました。

「私の人生、こんなはずじゃなかった」、そう思う瞬間は誰にでもあります。
私たちは十代を机の前で受験勉強に励み、就職活動が終わると、いつの間にか大人世界の仲間入りをしています。成熟した大人になるのに必要な「移行期」が、現代人にはありません。アドバイスや支援、予行練習すらないのです。本書は、そんなメンターのいない現代の大人たちのために、心理学者のキム・へナムが記した一冊です。
韓国で60万部を記録した本書の執筆時、著者はパーキンソン病の闘病8年目でした。現在も闘病中の彼女ですが、ベストセラー作品を出し続けているのには驚かされます。人生は迷いながらも、心に痛みを抱えながらも、前に進んでいかなければなりません。本書が心の指針、メンター代わりの一冊になれば幸いです。

『人間として最良のこと as a person』(キム・ヘナム著、バーチ・美和訳、日経BP)