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K-BOOK振興会便り 2023年1月号 http://k-book.org/
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◆◇今月のTOPIK◇◆
2023年がスタートしました。
日本語で読みたい韓国の本、日本語で読める韓国の本、イベント等、今年も様々な情報を発信していきます。
●イベント等のご紹介
1月11日:【NHKカルチャー青山教室】
<弱さ>から読みとく韓国現代文学第2回
講師:翻訳家 小山内園子
https://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_1261955.html
1月15日:【本屋B&B 来店参加/オンライン参加】
『私たちの”解放日誌”』(gasi editorial/タバブックス)刊行記念イベント
ゲスト:安達茉莉子×いよりふみこ×小山内園子 「今夜は私たちの解放クラブ」
https://bookandbeer.com/event/bb230115a_kaihouclub/
2月1日:【チェッコリ 来店参加/オンライン参加】
アン・ドヒョンさんと語り、味わい、楽しむ詩の夕べ:『詩人 白石――寄る辺なく気高くさみしく』ほか
ゲスト:アン・ドヒョン、五十嵐真希
https://chekccori230201.peatix.com/
◆◇日本語で読みたい韓国の本◇◆
人文 『千年の授業(천년의 수업)』
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●ギリシャ・ローマ神話から「人間らしさ」を考察
かつてはみな「なぜ」「どうして」を繰り返す好奇心溢れる子どもだった。質問することを忘れ、
大人になった私たちは本当にすべてを知っているのだろうか。
西洋古典文学の研究者である著者がギリシャ・ローマ神話の登場人物にスポットライトを当てつつ、
現代の学歴社会や画一化した教育、人間のあるべき姿について問いかける。数千年の時空を超え、
神々や英雄たちを題材に繰り広げられる授業は「人間らしさとは何か」を問い続けることこそが豊かな人生の鍵であると教えてくれる。
http://k-book.org/yomitai/221205/
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児童書・絵本 『すきだからぎゅってしたのに、なんでおこるの?(좋아서 껴안았는데 왜?)』
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●バウンダリー(境界線)について学べる絵本
ジュンスは同じクラスのジアのことが好きで、ある日ジアをぎゅっとハグします。しかし、それに対してジアは怒ります。
「自分の気持ちを表現しただけなのに…」。ジュンスは怒られたことに驚き、どうしたら良いか分からなくなります。
その日、ジュンスは先生から「境界線」について教えてもらいます。国や道路のように目に見える境界線もあれば、
目には見えない境界線が持ち物や自分自身にもあることを知ったジュンス。そして、その境界線を越えるときはまず相手に尋ね、
相手の意見を尊重すること、境界線をむやみに越えれば相手とケンカになったり、時には自分自身が危険にさらされたりするかもしれないことを学びます。
自分と他者の境界線を守ることの大切さや、それをどう守るか、むやみに境界線を越えられたときにどうすべきかを学べる絵本です。
http://k-book.org/yomitai/221212/
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小説 『加害者たち(가해자들)』
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●集合住宅での騒音トラブルから、人々が抱える痛みを描き出す。
最も現代的、先鋭的な作家たちが送る<現代文学PINシリーズ小説選>31作目として出版された作品。
孤独が生み出した実体のない音が、母の人生を食い潰した――壊れゆく母の姿を前に、17歳のユンソは呟く。
ユンソの母は、家族で住むマンションの上・下階、隣室との間で騒音をめぐり激しい応酬を繰り広げていく。
上階の住人が慌ただしく動く音、子供が走り回る音。自分を苦しめる騒音が、夫や娘(ユンソ)には聞こえないと言う。
実は上階に住む一家は、騒音防止カーペットやスリッパを使用し、極力気をつけながら生活している。微かな音すら、ユンソの母にとっては心身に不調をきたすほどの騒音になった。
誰もが被害者、加害者のどちらにもなり得る騒音トラブルは、日本に住む我々にとっても最も身近な問題の一つである。
それは単に音を下げるだけでは解決しない様々な問題を投げかける。
http://k-book.org/yomitai/221219/
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エッセイ『泣いて笑った(울다가 웃었다)』
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●バラエティ番組でお馴染みのキム・ヨンチョルが50歳を前に自らの半生を振り返り綴ったエッセイ。
「人生は笑いと涙が繰り返されるコメディのようだ。涙をこぼしたと思ったら、いつの間にかまたニコニコ笑っている」
。明朗でポジティブが代名詞のコメディアン、キム・ヨンチョルが、早逝した兄や家族の病といった悲しみ、コメディアンとしての苦悩、
実は心配性だったという過去を明かしてこれまでの人生を省察する。
http://k-book.org/yomitai/221226/
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◆◇日本語で読める韓国の本◇◆
『サイボーグになる ――テクノロジーと障害、わたしたちの不完全さについて』
(キム・ウォニョン、キム・チョヨプ/著、牧野美加/訳、岩波書店)
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身体に障害を抱えながらも弁護士・作家・パフォーマーとして活動するキム・ウォニョンさんと、
聴覚に障害を抱えながらも人気SF作家として活躍するキム・チョヨプさんによる共著。
身体の「完全」とは何であり、人がよりよく生きていくための技術や社会はどのようなものなのかを深く考えさせてくれる1冊です。
訳者の牧野美加さんによるメッセージを紹介しました。
http://k-book.org/yomeru/20221203/
『私もまだ、私を知らない 自尊感情を高める処方箋』(ホ・ジウォン /著 尹 怡景/訳 祥伝社)
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韓国国内で10万部超ベストセラー、心理療法の本は、低い自尊感情、愛情の欠乏、異常な完璧主義、
不安や憂鬱など否定的な感情によって、自らを追い詰めてしまいがちな人々に向けた脳科学と心理学からの処方箋です。
翻訳者の尹怡景さんから本書の概要とご紹介メッセージを頂戴しました。
http://k-book.org/yomeru/221208/
『いいから、あなたの話をしなよ 女として生きていくことの26の物語』
(チョ・ナムジュほか/著 大島 史子/訳 李美淑/監修 アジュマ)
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江南駅10番出口殺人事件をきっかけに、フェミニストたちの声が社会を大きく動かした韓国。
『82年生まれ、キム・ジヨン』の著者チョ・ナムジュなど26人が、女性の日常が具体的にどのようにどれだけ変わったのかを語るエッセイ集です。
訳者の大島史子さんによるメッセージを紹介しました。
http://k-book.org/yomeru/20221215/
『だれも私たちに「失格の烙印」を押すことはできない』(キム・ウォニョン/著 五十嵐真希/訳 小学館)
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2018年「今年の人権書」受賞作。
ソウル大卒の弁護士、俳優、そして骨形成不全症のため車いすユーザーの著者が、障害者など「失格の烙印」を押されがちな人生には、
価値があって美しいことを理性的に語ります。社会の慣行や構造によって差別が産み出されていること、そ
れに自分が無意識、無自覚になっていることを気づかせてくれる作品です。著者が「私たち」という言葉にこめた思いを紹介しました。
http://k-book.org/yomeru/20221224/
◆◇ 韓国の出版・本屋事情 ◇◆
教保文庫、11月の月間ベストと注目の新刊(韓国通信)
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教保文庫の11月の月間ベスト10(国内小説)と注目の新刊情報をご紹介します。1位はチョン・ジアの『父の解放日誌』です。
日中韓を含むアジア9都市9人の作家が同一のテーマで書き下ろした作品を編んだアンソロジー『絶縁』(日本語版は小学館)が韓国でも発売されました。
http://k-book.org/publishing/20221207/
教保文庫、11月のエッセイ月間ベスト(韓国通信)
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ここ数年のうちに日本でも韓国エッセイが注目を集めるようになり、訳書も多く出版されています。
小説の月間ベストと合わせてチェックしてみてください。
11月は、2021年に出された邦訳作品『わたしの心が傷つかないように』(李聖和訳、日本実業出版社)の著者ソルレダによる新刊が9位にランクインしました。
YouTuberとして活躍する作家の新刊も注目を集めています。
http://k-book.org/publishing/20221209/
◆◇12月のK-BOOKらじお◇◆
♯27 K-BOOKフェスティバル開催記念特別バージョン番外編-テックルコーナーより「We love K-BOOK フェスティバル!」
http://k-book.org/news/radio_27/
♯28 麗子さんの韓国便りー韓国も本格的な冬に/パリ発の輸入雑貨店もご紹介
http://k-book.org/news/radio_28/
♯29 わたし、これ訳しました―絵本翻訳に取り組む、わたなべなおこさん。絵と言葉の両方で翻訳を作り上げてます。
http://k-book.org/news/radio_29-2/
♯30 わたし、これ担当しました―9都市9人の作家によるアンソロジー『絶縁』が新しい入り口になりますように
http://k-book.org/news/radio_30/
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韓国の本=K-BOOKを愛する皆さんに、日本で刊行された翻訳本の新刊情報やイベント情報、韓国現地からの情報、
そして読者の皆さんの声をご紹介するインターネットラジオ「K-BOOKらじお」は、Apple Podcast、Spotify、YouTubeで毎週金曜日 朝9時配信中!
Google Podcastでの配信もスタートしました。
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__おしまいに____________________
2月1日に行われるアン・ドヒョンさんの来日イベントでナビゲーターを務めます。
韓国を代表する詩人とご一緒することができ、望外の喜びです。
アン・ドヒョンさんも日本のみなさんに会えることをとても楽しみにされています。
ぜひご参加ください。
(運営委員:五十嵐真希)
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発行:一般社団法人 K-BOOK振興会
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