【K-BOOK振興会だより】小説家として語る映画監督イ・チャンドン来日イベント/『破果』のク・ビョンモがAIロボットの視点で描く長編小説

◆◇今月のTOPIK◇◆

●イベント情報●

8月8日(火):【代官山 蔦屋書店/場+オンライン】
『鹿川は糞に塗れて』刊行&「イ・チャンドン アイロニーの芸術」公開記念 イ・チャンドン 自作を語る トーク&サイン本お渡し
講演者:イ・チャンドン
http://asm303.com/r/c/uc0f/c4ze/xoBfR/

8月19日(土):【本のあるところ ajiro/場+オンライン】
『私の彼女と女友達』刊行記念 著者来日イベント
チョ・ウリ×高島鈴 トークイベント 「終わらない夜を耐え忍ぶ」
講演者:チョ・ウリ×高島鈴
http://asm303.com/r/c/uc0m/c4ze/xoBfR/

8月23日(水):【イベントプラス/オンライン】
「ソ・ユミ」トークインベント
~韓国を代表する女性作家のひとり。『終わりの始まり』が初邦訳、まもなく2作目の邦訳『誰もが別れる一日』が刊行予定~
講演者:ソ・ユミ
http://asm303.com/r/c/uc00/c4ze/xoBfR/

8月27日(日):【ひばりが丘公民館教養講座/場】
韓国文学を入り口に学ぶやさしい近現代史入門(全4回)
講演者:第1回から3回神谷丹路、第4回 斎藤真理子
http://asm303.com/r/c/uc0P/c4ze/xoBfR/

◆◇日本語で読みたい韓国の本◇◆

人文 『気候美食(기후미식)』
―――――――――――――――――――――――――――

●「気候」と「食」で語る環境問題

医師として健康のために自然植物食を提唱し自らも実践している著者が、今地球で起こっている環境問題と食糧危機を語り、食によってこの問題を解決できることを説く。
世界の取り組み、特に環境意識の高いヨーロッパの例を挙げながら、韓国で実践できる「気候美食メニュー」を示して読者が自然植物食を今すぐ始められる内容となっている。
韓国と同じく米を主食に野菜中心の総菜が並ぶ献立を伝統食とする日本人の食生活にも当てはめやすい。
健康意識の高い韓国の現職医師が提案する、人も地球も健康になるポジティブな気候危機対応策を是非多くの人に読んでもらいたい。

http://asm303.com/r/c/uc0r/c4ze/xoBfR/

人文 『韓国の能力主義(한국의 능력주의)』
―――――――――――――――――――――――――――

●能力主義のゆがみと社の疲弊

格差がどんどん広がっている今の韓国では、「平等でないこと」に皆が怒っているように見えるが、実はそれは「公正でないこと」への怒りなの
能力の低い人が恩恵を得られないのは仕方がないが、非正規社員を正規職に転換するような制度改革には我慢できない。
その根底には、個人の能力差は明らかから、能力の低い人は取り分が少なくて当然という能力主義がほとんどの国民の意識に染み込んでいることがある。
の格差がひどくなり、韓国が真の先進国家になれていない原因はまさにその能力主義にある。
本書は、能力主義の誤りを具体的に指摘し、疲弊した社から脱するための方策を提案する。

http://asm303.com/r/c/uc0I/c4ze/xoBfR/

--------------------

小説 『ひとさじの時間(한 스푼의 시간)』
―――――――――――――――――――――――――――

●ク・ビョンモがAIロボットの視点で描いた長編小説

数年前に妻を亡くした中年男性ミョンジョンは、小さな町でクリーニング店を経営している。ある日、外国暮らしの一人息子が飛行機事故に遭ったことを知る。
遺体すら見つからず悶々とした日々を過ごしていると、送り主の欄に息子の名前が書かれた巨大な宅配便が届いた。中に入っていたのは17歳の少年の姿をしたAIロボット。
ミョンジョンはロボットに「ウンギョル」と名付け、同居生活を始める。店を手伝うウンギョルは、クリーニング店を訪れる様々な客との交流により人間の行動や感情を学習し、情報を人工知能に記憶していく。統計データで解析できない「人間らしさ」に戸惑いながらも、ウンギョルは次第に人々の日常に溶け込んでいった。
歳月が流れ、店を訪れる客たちも変わり、ミョンジョンは老いを感じ始めている。そんな人々の変化を、少年の姿のままで見守るウンギョル。ウ
ンギョルも、部品の交換やメンテナンスが受けられず、あちこち故障が目立ってきていた。そして遂にミョンジョンとウンギョルの別れの時が訪れる。

http://asm303.com/r/c/uc0z/c4ze/xoBfR/

エッセイ 『趣味家 賢い趣味の生活 君の世界を応援する(취미가 슬기로울 취미생활, 너의 우주를 응원해)』
―――――――――――――――――――――――――――

●各分野の「オタク」、自分の趣味を語る

各分野の「オタク」が自分の趣味を紹介する本を作成したら面白そう、という好奇心から出版されたエッセイ集。
この本では45人の著者が自身の趣味を紹介しており、「本」、「映画」、「音楽」、「勝負」、「部屋で楽しむもの」と大きく5つのカテゴリーから構成されている。
旅行の移動手段として飛行機に乗るのではなく、飛行機に乗るために旅行をする人、シャネルを「高価なブランド品」としてではなく、
創始者のガブリエル・シャネルの哲学に惹かれ、シャネルを愛する人等々。趣味という普遍的なテーマでありながら、内容はどれもとても深く読み応えがある。
多様な情報を得られるけでなく、「やりたいことをやるために生きる」という人生の素晴らしさも同時に教えてくれる一冊

http://asm303.com/r/c/uc0L/c4ze/xoBfR/

◆◇日本語で読める韓国の本◇◆

『優等生サバイバル-青春を生き抜く13の法則』(ファン・ヨンミ/著、キム・イネ /訳、評論社)
―――――――――――――――――――――――――――
やらなきゃいけないこと、考えなきゃいけないことが満載で、ハードな高校生活を生き抜かなければならない、主人公の“ 優等生” ジュノ。
彼がまっすぐに今の自分、仲間、恋、そして勉強にと悩みながらも前に進むための法則を見つける。
夏休みのこの時期にゆっくりとジュノと一緒に高校生活を生き抜く術を読んでおくことも、決して遠回りではないかもしれません。
より大人たちがそんな高校生たちの思いを知っておくことの大切さも教えてくれる作品。訳者のキム・イネさんによるメッセージをご紹介しました。
http://asm303.com/r/c/uc0a/c4ze/xoBfR/

『アロハ、私のママたち』( イ・グミ/著、李明玉 /訳、双葉社)
―――――――――――――――――――――――――――
国際アンデルセン賞・韓国候補作家イ・グミによる長編小説。『そこに私が行ってもいいですか?』(神谷丹路訳、里山社)と同じく近現代史を背景としています。
「写真花嫁」としてハワイに赴いた女性たちには苛酷な現実が待っていました。歴史の荒波にのまれながらも力強く生きる彼女たちの姿にエネルギーをもらえる作品です。
訳者の李明玉さんによるメッセージをご紹介しました。
http://asm303.com/r/c/uc0v/c4ze/xoBfR/

『蒸気駆動の男──朝鮮王朝スチームパンク年代記』(チョン・ミョンソプ他/著、吉良佳奈江/訳、早川書房)
―――――――――――――――――――――――――――

蒸気機関が導入され発達した、もうひとつの李氏朝鮮王朝。あるときは謎の旅人として、またあるときは王の側近として、
歴史の要所要所で暗躍した蒸気駆動の男=汽機人〈都老〉の500年間にわたる彷徨を描いた、5篇を収録した異色のスチームパンクアンソロジー。
著者には『消えたソンタクホテルの支配人』(北村幸子/訳、影書房)、『記憶書店 殺人者を待つ空間』(吉川凪/訳、講談社)と邦訳本刊行が続くチョン・ミョンソプをはじめ、
キム・イファン、パク・エジン、パク・ハル、イ・ソヨンらが名を連ねています。朝鮮王朝の歴史を新しい視点から楽しめるドキドキ感が堪らない一冊です。
訳者の吉良佳奈江さんによるメッセージをご紹介しました。
http://asm303.com/r/c/uc0p/c4ze/xoBfR/

『ダーウィン・ヤング 悪の起源』(パク・チリ著、コン・テユ訳、幻冬舎)
―――――――――――――――――――――――――――

「韓国出版文化賞」を受賞し、若き天才作家と呼ばれていたパク・チリの遺作作品。
真実と嘘、愛と像、自由と孤独、罪と罰、善と悪、滅亡と繁栄……人間の究極の葛藤を描いた、壮大にして濃密な人間ドラマが描かれ
2018年には韓国ソウルでも、そして2023年6月、7月には日本でもミュージカル舞台化となり話題を呼びました。
訳者のコン・テユさん、編集担当の山口奈緒子さんによるメッセージをご紹介しました。
http://asm303.com/r/c/uc0k/c4ze/xoBfR/

◆◇ 韓国の出版・本屋事情 ◇◆

教保文庫、6月の月間ベストと注目の新刊(韓国小説)
―――――――――――――――――――――――――――
1位は5月同様『메리골드 마음 세탁소(マリーゴールド 心のクリーニング屋)』。
注目の新刊は、邦訳書が多数出版され、日本でも人気のあるキム・ヨンス、チャン・リュジンの新作、そして、出版前から話題沸騰中の『비가 오면 열리는 상점(雨が降ると開く店)』です。
http://asm303.com/r/c/uc0F/c4ze/xoBfR/

教保文庫、6月のエッセイ月間ベストと注目の新刊
―――――――――――――――――――――――――――
韓国の国民的歌手で、日本でもデビューを果たしたイ・ジョクのエッセイが3位にランクインしました。
また、注目の新刊では、日本でも訳書が出版されているファン・ソヌとキム・ホンビによる手紙形式のエッセイなどを取り上げました
http://asm303.com/r/c/uc0A/c4ze/xoBfR/

◆◇7月のKBOOKらじお◇◆

♯56 日本でも大人気のエッセイスト2人による新刊はオトナ世代ならではの悩みに寄り添ってくれるよう - 麗子さんの韓国便り
http://asm303.com/r/c/uc0X/c4ze/xoBfR/

♯57 推し作家はファン・ジョンウン。大阪のtoi books 磯上竜也さん - わたし、これ推してます
http://asm303.com/r/c/uc0t/c4ze/xoBfR/

♯58 “編集方針は無し、表紙の記事タイトルは同じ大きさに、けは決めてたの”『中くらいの友ち』 伊東順子さん ― わたし、これ担当しました
http://asm303.com/r/c/uc0i/c4ze/xoBfR/

♯59 人間関係の悩みに効くエッセイ / 韓国の本を介した親子の対話録など、全25冊紹介!- わたし、これ読みました
http://asm303.com/r/c/uc0d/c4ze/xoBfR/

——————————————

韓国の本=KBOOKを愛する皆さんに、日本で刊行された翻訳本の新刊情報やイベント情報、韓国現地からの情報、
そして読者の皆さんの声をご紹介するインターネットラジオ「KBOOKらじお」は、Apple Podcast、Spotify、YouTubeで毎週金曜日 朝9時配信中!
Google Podcastでの配信もスタートしました。
ぜひお好みのプラットフォームで番組登録をお願いします。

Apple  http://asm303.com/r/c/uc0J/c4ze/xoBfR/
Spotify  http://asm303.com/r/c/ucPS/c4ze/xoBfR/
YouTube  http://asm303.com/r/c/ucPn/c4ze/xoBfR/

__おしまいに____________________
猛暑を韓国語で「폭염(暴炎)」といいます。今年の暑さはまさに暴炎!
グテーレス国連事務総長も「地球沸騰化」と表現しました。
韓国の出版界では環境問題を題材にした本が、子ども向け、大人向け、様々に出版され、話題になっています。
(運営委員:五十嵐真希)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
発行:一般社団法人 KBOOK振興
http://asm303.com/r/c/uc0x/c4ze/xoBfR/
http://asm303.com/r/c/ucPR/c4ze/xoBfR/
〒101-0051 千代田区神田神保町1-7-3三光堂ビル
TEL:03-5244-5427 FAX:03-5244-5428
mail:info@kbook.org
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━