『言いたいことを言ったのに、うまくいった』(ヤン・チャンスン/著、吉原 育子/訳、PHP研究所)

出版以来50万部販売。韓国の精神科医ヤン・チャンスンが書いた「いつも他の人との関係で自分だけが損している」と感じる人へ送る対処法。様々なカウンセリングケースを紹介しながら読者へアドバイスするエッセイです。
人間なら誰しもが持っている断られたくない恐怖や、傷ついてきた験などが原因で本当の自分の気持ちを隠し、自分の意見を言えずただ他の人のいうことに同調してしまうことがある。そんなことが繰り返されると心の中では不満が溜まり人間関係を壊すこともある。著者は、言いたいことをいうためにはまず「あの人はどうして?」ではなく、自分の感情をよく理解することが大事と書いています。まずは自分の感情と欲求を理解した上で、自分の意見に対する合理的で客観的な情報を根拠に、人間と人生に対する理解と愛を持って、最後まで礼儀を守って行動することで周りとうまくいくということでしょう。
失敗への恐怖を捨てないと自分自身も、相手も変わらない。変化の必要を感じている人へ最初の一歩を踏み出す事ができるようにしてくれる一冊でした。

翻訳を担当した吉原育子さんからメッセージをいただきましたのでご紹介します。

精神科医である著者のもとを訪れる、数多くのクライアントのカウンセリング事例をもとに、とくに自分の言いたいことを我慢してしまうタイプの人たちに向けて、良好な人間関係を築くための処方箋を紹介した心理学エッセイです。
いまやテレビや講演でも活躍する著者ですが、もともとは他人に合わせてしまうタイプだったとか。そのせいか、「思ったことを言っても大丈夫、健全な図太さを持ちましょう」と親身になって勇気づけてくれ、自分を苦しめる不要な感情を取り除くためのヒントをたっぷり伝えてくれています。心のからくりにふっと気づけること、うけあいです。

『言いたいことを言ったのに、うまくいった』(ヤン・チャンスン/著、吉原 育子/訳、PHP研究所)