教保文庫、6月の月間ベストと注目の新刊(エッセイ)

教保文庫の6月のエッセイ月間ベスト10と注目の新刊情報をご紹介します。韓国の国民的歌手で、日本でもデビューを果たしたイ・ジョクのエッセイが3位にランクインしました。また、注目の新刊では、日本でも訳書が出版されているファン・ソヌとキム・ホンビによる手紙形式のエッセイなどを取り上げています。

1位:『나는 죽을 때까지 지적이고 싶다(私は死ぬまで知的でありたい)』ヤン・ウォングン(ジョンミンメディア/2023.06.15)
著者のヤン・ウォングンは、出版企画の専門家として数々のベストセラーを生み出し、多くの新人作家を世に送り出してきました。全3章からなる本書は、自分の無知を知り、絶えず学び、「私」を哲学する道を、著者自身の成長ストーリーと共に歩むことができる構成になっています。学んだことを実践してこそ、人生が豊かで幸福になることを教えてくれます。
2位:『당신은 결국 무엇이든 해내는 사람(君は結局何でもやり遂げる人)』(10万部記念特別リカバーエディション)キム・サンヒョン(Feelm/2022.04.20)
3位:『이적의 단어들(イ・ジョクの単語)』イ・ジョク(キムヨンサ/2023.05.25)
国民的シンガー・ソング・ライターである著者は、これまでに多数のヒット曲を生み出してきました。本書は、人生や言葉、歌、自分自身に関する101の単語をとりあげ、その単語にまつわる話をつづった散文集です。単語を切り口として、人生の裏側を見つめる詩のような文章に、胸を突かれることもあるでしょう。
4位:『기분이 태도가 되지 말자(気分が態度にならないように)』キム・スヒョン(ハイスト/2022.11.25)
5位:『이지성의 1만 킬로미터(イ・ジソンの1万キロメートル)』イ・ジソン(チャイジョンウォン/2023.04.20)
6位:『감정은 사라져도 결과는 남는다(感情は消えても結果は残る)』イ・へイン(Feelm/2023.06.15)
24歳で起業し、現在は広告代理店の代表やインフルエンサーとして活躍している著者も、ここに至るまでに数多くの困難にぶつかってきました。本書は、チャンスのつかみ方、自分自身を大切にすることの重要性、小さな習慣や言葉が大きな違いを生むという気づき、不必要な感情に支配されないための方法など、望む結果を残して前に進んでいきたい人のための力強いメッセージがつづられています。
7位:『우정 도둑(友情泥棒)』ユ・ジヘ(ノル/2023.05.17)
8位:『마음의 자유(心の自由)』ジョンユン(ブックロマンス/2023.06.12)
誰かの言葉に心を乱されるとき、生きるのに疲れて逃げ出したくなるとき……。そんな瞬間が訪れたら、この本を開いてみてください。飾らない文章に写真やイラストが添えられており、心を健康に保つための実用的なアドバイスが胸に響きます。「心の自由のための最高のアドバイス30」という付録もついているので、いつでも気軽にお気に入りの文章を読み返すことができるのも魅力的です。
9位:『망그러진 만화(いびつなマンガ)』(桜エディション)ユラン(チョウンセンガク/2022.11.01)
10位:『나 자신으로 살아가기(私自身として生きること)』イム・キョンソン(マウルサンチェク/2023.05.25)

注目の新刊
『최선을 다하면 죽는다(ベストを尽くすと死んでしまう)』ファン・ソヌ、キム・ホンビ(文学トンネ/2023.06.07)
本書は、『女ふたり、暮らしています』(清水知佐子訳/CCCメディアハウス)のファン・ソヌ、『女の答えはピッチにある』(小山内園子訳/白水社)、『多情所感』(小山内園子訳/白水社)のキム・ホンビによる手紙形式のエッセイで、文学トンネの手紙エッセイシリーズの中の一冊です。生きづらさや漠然とした不安感を抱えながら過ごす日々の中で、互いを笑わせ、立ち上がらせる女性たちのユーモアと友情を見つけることができます。キム・ホンビは、「死ぬほどまでに」がんばらなくてもいい方法の1つは、笑いを、気持ちを分かち合うことだと「作家のことば」で語っています。

『순도 100퍼센트의 휴식(純度100パーセントの休息)』パク・サンヨン(インフルエンシャル/2023.06.30)
『大都会の愛し方』(オ・ヨンア訳/亜紀書房)の著者による3年ぶり2冊目のエッセイです。デビュー後にさまざまなメディアを通じて発表した文章のうち、休息や旅行について書かれたものに加筆・修正を加えて一冊にまとめました。期待外れのソウル生活から逃避すべく向かったヨーロッパ、済州の最南端にある加波島での生活など、「休む素質がなく、旅行嫌いな」著者が、完璧な休息を夢見ながら、旅行や人、仕事や休息について語ります。(文/金知子)