ふたりの女の物語(두 여자 이야기)※日本語版出版が決定しました

原題
두 여자 이야기
著者
ソン・アラム
出版日
2017年5月20日
発行元
イスプ
ISBN
9791186921425
ページ数
167
定価
13,000ウォン
分野
コミック

●本書の概略

どうして女性の人生はいつまでたっても変わらないんだろう

女性なら誰もが直面する、恋愛、結婚、子育て、仕事、そして家族に関する悩みを、時にはコミカルに、時にリアルに描く。2017年に出版され、2019年には“漫画界のカンヌ”と言われるアングレーム国際漫画祭で、一般コンペティション部門(Selection officielle)にノミネートされた。

●目次

大邱(テグ)の夜

ソウルの夜

エピローグ

●あらすじ

大邱の夜:ホンヨンはある日、友達のコンジュに結婚することを伝える。仕事もしたいし、でも夫の実家の行事にも参加しなければならず、子育てに追われる日々を過ごす。愛する人と結婚したが、本当にこれで自分は幸せなのか。主人公の葛藤を描いている。

ソウルの夜:大邱に住むコンジュの夢は、ソウルで文章を書く仕事に就くことだ。だが、母親とは不仲で、自分の夢を打ち明けられずにいた。実家で一緒に暮らしていた祖母が亡くなると、SNSで知り合った友人ホンヨンの助けを借り、夢だったソウルでの生活を始める。コンジュの夢はソウルで叶えることが出来るのか、母親とのわだかまりは解消されるのか。

●日本でのアピールポイント

日本の女性の誰もが一度は結婚、仕事と家庭の両立、家族とのわだかまり、夢と現実のギャップについて悩むのではないだろうか。

「大邱の夜」では家庭と仕事の両立、夫の家族との付き合いを中心に描いている。結婚生活は恋愛とは違い、夫の実家というもう一つの家族が出来る。子供を産んで3人で暮らすのは2人の時とは別物だ。さらに仕事との両立もしなければならない。

「ソウルの夜」では夢の理想と現実、家族とのわだかまりを中心に描く。やりたい仕事があっても、それを家族に応援してもらえない。結局夢だった仕事に就いても、理想と現実のギャップに苦しむ。

「他の人たちも同じなのかな? 他の人も私のように生きていくのかな?」女性なら誰しもが共感できる部分がどこかにあるはずだ。読者の心の中にある、もやっとした部分に優しく寄り添ってくれる作品だ。

作成:森樹里

※日本語版出版が決定しました

ソン・アラム
1981年生まれ。法学部在学中に偶然ハンギョレ教育文化センターの出版漫画講座を知り、修了後すぐにマンガ家の道を歩き始めた。 出版漫画課程の同期たちと共同作業室を設け、さまざまな教養漫画の制作に参加した。 2007年に漫画雑誌『Sal』にて短編『マイペニーレイン』を、翌年2008年には短編『ボヨン's Best 1集』を発表。代表作に長編漫画『しきりに思い出す』(ミメシス、2015年)がある。