暑かった今年の夏も過ぎ、駆け抜けるように秋を過ごし、冬本番となった今、さらにこの一冊の静謐な感じが多くの読者の心を捉えてくれそうです。手にとった方たちの熱い支持を受け、約1年にわたって売れ続けています。言葉と風景に酔いしれることができる、そんな気持ちでページをめくっていました。
翻訳者の橋本智保さんからメッセージを頂戴しました。
『詩と散策』(ハン・ジョンウォン著 書肆侃侃房)は、散歩を愛する詩人が日常の中で詩の風景を見つけ、思索したことを語ったエッセイ集です。
ひとり詩を読み、ひとりふらりと歩くことを楽しむ詩人の綴った言葉から、氷にとじこめられた馬の蹄の音が聞こえてきたり、音や光でつくられた地図が見えてくるのではないかと思います。
著者が口ずさむ詩語とともに、彼女の愛する詩人たちとともに、ゆっくりと歩いてみませんか。見慣れた風景がいつもとは違う表情を見せてくれるかもしれません。
2023年2月に刊行された『詩と散策』は、9月に重版となりました。多くの方の気持ちに寄り添えるような1冊になることを心から願っています。(橋本智保)