教保文庫、4月の月間ベストと注目の新刊(エッセイ)

教保文庫の4月のエッセイ月間ベスト10と注目の新刊情報をご紹介します。映画『ソウォン/願い』『トンネル 闇に鎖(とざ)された男』の原作作家、ソ・ジェウォンのエッセイが9位にランクインしました。注目の新刊では、アニメ『ワンピース』のサボ役を担う声優ナム・ドヒョンのエッセイを紹介しました。

1位:『나는 메트로폴리탄 미술관의 경비원입니다(私はメトロポリタン美術館の警備員です)』パトリック・ブリンリー/キム・ヒジョン、チョ・ヒョンジュ訳(ウンジン知識ハウス/2023.11.24)
2位:『찌그러져도 동그라미입니다(ペチャンコになってもマルです)』キム・チャンワン(ウンジン知識ハウス/2024.03.28)
3位:『꽃길이 따로 있나, 내 삶이 꽃인 것을(花道は他にあるわけではない、自分の人生が花なのだ)』オ・ピョンソン(フォレストブックス/2024.03.22)
2023年3月の月間ベストの記事で紹介した『그대 늙어가는 것이 아니라 익어가는 것이다(あなたは老いていくのではなく成熟していくのだ)』の著者による新作エッセイです。生きてきた道を振り返りながら後悔にさいなまれたり、これからの生活に不安を覚えたりする人に向けられた、人生の第二幕を生き抜くためのヒントがちりばめられています。文章だけでなく、四十点あまりの絵画やショーペンハウアー、ニーチェ、ソクラテスなどの格言なども収録されています。
4位:『보편의 단어(普遍の単語)』イ・ギジュ(マルグルト/2024.01.11)
5位:『내가 천 개의 인생에서 배운 것들(僕が千通りの人生から学んだこと)』キム・ドユン(ブックロマンス/2024.04.17)
ベストセラー作家であり、チャンネル登録数200万人のYouTubeチャンネル『キム作家TV』を運営するユーチューバーでもある著者は、これまでの13年間に1,000名を超える人々へのインタビューを行ってきました。その中で著者は、人が死ぬ間際に後悔するのは富や名声に関することではないと気づきます。愛する人との思い出や、当たり前だと思っていた幸せな瞬間を語る50のエピソードを通じて、本当の幸せとは何かを問いかけます。
6位:『삶을 견디는 기쁨(人生を耐える喜び)』ヘルマン・ヘッセ/ユ・ヘジャ訳(文芸春秋社/2024.02.28)
7位:『기분이 태도가 되지 말자(気分が態度にならないように)』キム・スヒョン(ハイスト/2022.11.25)
8位:『고층 입원실의 갱스터 할머니(高層階の病室のギャングスタ―おばあちゃん)』ヤン・ユジン(21世紀ブックス/2024.03.20)
9位:『벼랑 끝이지만 아직 떨어지진 않았어(崖っぷちだけど、まだ落ちてはいない)』ソ・ジェウォン(プロローグ/2024.03.04)
著者は、映画『ビースティ・ボーイズ』の原作小説でデビューし、その後も『ソウォン/願い』や『トンネル 闇に鎖された男』など、数多くの作品が映画化・ドラマ化されました。児童への性犯罪など社会問題をテーマにした作品が多く、弱者の声を代弁する作家とも呼ばれています。本書では、父親に「取るに足らないやつ」だと言われ続けた幼少時代、母親の家出やいじめ、貧しさなど、ありとあらゆる不幸を経験しながら、そこから這い上がってきた著者のこれまでの人生が赤裸々に語られています。友達に宛てた手紙のような文章で、人生の崖っぷちに立たされた人の心に火を灯します。
10位:『모든 것은 기본에서 시작한다(すべてのことは基本から始まる)』(教保文庫限定ハードカバー)ソン・ウンジョン(守吾書斎/2021.10.15)

注目の新刊
인생은 파랑(人生は青)』ナム・ドヒョン(ウンジン知識ハウス/2024.04.20)
アニメ『ワンピース』のサボ役、オンラインゲーム『リーグ・オブ・レジェンド』のジェイス役などを担う、韓国を代表する声優である著者は、ユ―チューバー、MCなどさまざまな分野で活躍しています。そんな彼は「青色」が大好きで、服やメガネはもちろん、YouTubeチャンネルにも「ブルークラブ」と名付けるほどです。本書は、人生を変えた作品との出会いやプロの壁にぶつかった経験など、さまざまなエピソードを通じて語られる著者の成長記録です。(文/金知子)