教保文庫、1月の月間ベストと注目の新刊(エッセイ)

教保文庫の1月のエッセイ月間ベスト10と注目の新刊情報をご紹介します。『言葉の温度』『言葉の品格』(共に米津篤八訳、光文社)などで人気のイ・ギジュによる新作エッセイが4位にランクインしました。注目の新刊では『あんなにあった酸葉(すいば)をだれがみんな食べたのか/あの山は本当にそこにあったのか』(朴婉緒著、真野保久・朴暻恩・李正福訳、影書房)などで知られる、国民的作家パク・ワンソのエッセイ集を紹介しています。

1位:『나는 메트로폴리탄 미술관의 경비원입니다(私はメトロポリタン美術館の警備員です)』パトリック・ブリンリー/キム・ヒジョン、チョ・ヒョンジュ訳(ウンジン知識ハウス/2023.11.24)
2位:『내가 한 말을 내가 오해하지 않기로 함(僕が言った言葉を僕が誤解しないようにすること)』ムン・サンフン(ウィナスブック/2024.01.05)
3位:『인생은 순간이다(人生は瞬間だ)』キム・ソングン(ダサンブックス/2023.11.15)
4位:『보편의 단어(普遍の単語)』イ・ギジュ(マルグルト/2024.01.11)
『言葉の温度』『言葉の品格』(共に米津篤八訳、光文社)などで知られるミリオンセラー作家による新作エッセイ集です。普段何げなく使っている平凡な単語を掘り下げ、愛や憎しみ、幸福や不幸、希望や後悔、生と死についての根源的な問いを投げかけます。この本を開けば、私たちの人生を支えてきた単語は何だったのか、その中にはどんな風景が宿っていたのかを振り返ることができるでしょう。
5位:『푸바오, 언제나 사랑해(プーバオ、いつも大好きだよ)』文/写真:エバーランド動物園(シゴンジュニア/2024.01.15)
シゴンジュニアから『赤ちゃんパンダのプーバオ』『プーバオ、毎日毎日幸せだよ』(共に未邦訳)に続く、プーバオシリーズ3作目が発売されました。生まれて初めて外の世界に出た瞬間から、韓国で過ごす最後の季節となる2023年の冬までのプーバオの姿が、200枚ほどの写真と共に収められています。もうすぐ中国に返還されるプーバオとの別れを惜しむ飼育員からの手紙に胸が詰まります。プーバオ家族の歩んできた道を余すところなく記録した一冊です。
6位:『내가 생각한 인생이 아니야(僕が思っていた人生じゃない)』リュ・シファ(スオ書斎/2023.12.21)
7位:『하는 일마다 잘되리라(やることすべてが上手くいくはず)』チョン・スンファン(ブックロマンス/2023.11.13)
8位:『기분이 태도가 되지 말자(気分が態度にならないように)』キム・スヒョン(ハイスト/2022.11.25)
9位:『당신은 결국 무엇이든 해내는 사람(君は結局何でもやり遂げる人)』(10万部記念特別リカバーエディション)キム・サンヒョン(Feelm/2022.04.20)
10位:『사랑에 관한 거의 모든 기술(愛に関するほとんどすべての技術)』キム・ダル(ビックフィッシュ/2023.12.07)

注目の新刊
『사랑을 무게로 안 느끼게(愛を重みとして感じないように)』パク・ワンソ(世界社/2024.01.23)
『あんなにあった酸葉(すいば)をだれがみんな食べたのか/あの山は本当にそこにあったのか』(朴婉緒著、真野保久・朴暻恩・李正福訳、影書房)などで知られる、国民的作家パク・ワンソのエッセイ集です。本書は1977年に初版が出版され、その後2002年に再出版された『꼴찌에게 보내는 갈채(びりに送る喝采)』(未邦訳)の改訂版です。1971年から1994年までの印象的な出来事を記したエッセイ46編に加えて、パク・ワンソの娘である作家ホ・ウォンスクの許可を得て、未発表原稿の「님은 가시고 김치만 남았네(ニムは行かれ、キムチだけが残った)」が収録されました。作家の日常を写した写真や、作家の愛用品、修道女イ・ヘインさんに宛てた手紙なども公開されています。

『생각을 끄는 스위치가 필요해(思考をシャットダウンするスイッチが必要だよ)』インフジェ・ボラ(Feelm/2024.01.17)
連載1年で5万人のフォロワーを獲得したインスタマンガの著者インフジェ・ボラ(infj_bora)によるヒーリングエッセイです。好きだと思えるものを探すこと、他人の言葉に惑わされないこと、些細な瞬間に幸せを見いだすことなど、「あれこれと考えて前に進めない」人に向けられたメッセージが詰まっています。初版限定で2024年の運勢を占えるカードがついてきます。

『선 넘은 여자들(国境を越えた女性たち)』キム・ヒジョンほか(センガゲチャン/2024.02.08)
この本の著者12名は韓国を離れ、それぞれの分野でキャリアを積んできたワーキングマザーです。慣れない土地で母として、女性として、社会人として古今奮闘してきた彼女たちが歩んできた道は決して平たんではありませんでしたが、自分の夢を叶え、家庭と仕事を両立できる環境を勝ち取りました。本書は、12通りの笑いあり涙ありの生き方を通して、結婚や育児に漠然とした不安を抱える若い世代に「こんな生き方もあるんだ」というメッセージを伝えるエッセイ集です。韓国の人気バラエティ「三食ごはん」や「ユン食堂」のプロデューサーとして知られるナ・ヨンソクさんの推薦のことばも掲載されています。(文/金知子)