姉さんがいるのは羨ましいね(언니가 있다는 건 좀 부러운걸)

原題
언니가 있다는 건 좀 부러운걸
著者
キム・ミンジョン
出版日
2022年8月20日
発行元
フォックスコーナー
ISBN
9791187514718
ページ数
280
定価
15,000ウォン
分野
エッセイ

●本書の概略

人生においてアドバイスが必要な時はドラマを観るという著者。ドラマの専門家である彼女が実際に勇気をもらった作品や悩んでいたあの頃に観たかった作品を集めた一冊。自己啓発本でありヒーリングエッセイだ。各章はドラマの名ゼリフで始まり20歳から40歳まで1歳刻みで各年齢の女性たちが登場する。恋と友情の間で揺れる21歳、本当の大人にならなければいけない重圧を感じる30歳、幻想の特急列車に乗車しているようにめまぐるしく変化する35歳……。パク・セロイ成功の影の立役者チョ・イソは愛も仕事も手に入れたい27歳、軍事境界線を越え恋に落ちたユン・セリはそれなりの恋愛経験を乗り越えた32歳で、眼鏡をかけた飾らない女医、チェ・ソンファは自分自身を受け入れ始める40歳だった。ドラマには人生がある。予想外のアクシデントや激しい感情変化を経験するドラマの中の女性たちこそが、著者にとっての「姉さん」なのだ。取りあげる作品の数は41作品。まさにドラマ辞典。ストーリーを追いつつも年齢ごとの背景と悩みにも焦点を当て、著者自身の人生も重ねていく。優しいタッチの挿絵は癒しを与えてくれる。もう姉のいる友達を羨む必要はない。生き方のお手本を見せてくれる姉さんはあなたのそばにもいるのだから。

●目次

0 賢い姉のドラマ辞典
1 太陽の末裔
2 彼らが生きる世界
3 太陽を抱く月
4 椿の花咲く頃
5 黎明の瞳

●日本でのアピールポイント

コロナ禍を経て韓国ドラマファンの裾野も広がった。今や韓国ドラマなしには生活できないという人々も多いだろう。しかし、主人公たちの年齢に注目して観たことはあるだろうか。取りあげられているドラマは、年代やジャンルも様々で未視聴の作品に興味が湧くことはもちろん、既に観た作品も、こんな見方もあったのかともう一度視聴したくなってしまう。その年齢がゆえに登場人物が置かれていた状況、抱えていた悩みを知ることで作品を一層深く味わうことができると感じるだろう。ドラマの専門家の目を通した女性の人生観には、なるほどと頷かざるをえない。姉さんたちからは人生で大切なものを教えてもらい、ドラマライフもより充実させられるお得な一冊だ。人生の参考書を片手に人生を共に歩んでいくのはいかがだろうか。

(作成:髙橋恵美)

キム・ミンジョン
1981年ソウル生まれ。ドラマ評論家。柔らかな夏の昼寝と静かな夜の散歩、甘く香ばしいミルクティとふかふかの枕が好き。それらよりもっと好きなのはドラマ。何よりもドラマを愛しドラマと共に生き、大学でストーリーテリングコンテンツについての講義もこなす。著書には『あなたの夜のためのドラマ使用法』『あなたの人生はどんなドラマですか』などがある。