『どうぶつえん』( スージー・リー /作、姜汶政、松岡礼子/訳、サウザンブックス社)

不思議な不思議などうぶつえんの物語。パパとママとどうぶつえんに行った女の子。でもパパとママに見えているどうぶつたちと、女の子に見えているどうぶつたちは何だか違います。パパとママの世界はいつものどうぶつえんなのに、女の子に見えている世界は色鮮やか。そんな不思議な世界がページをめくるたびに現れます。
国際アンデルセン賞を受賞したスージー・リーの絵本デビュー作が待望の日本語翻訳で登場しました。
翻訳者のお一人、松岡礼子さんから推薦のコメントをいただきました。

2022年国際アンデルセン賞画家賞受賞作家スージー・リーさんの韓国語絵本デビュー作『どうぶつえん』は、2004年の出版以来、英語圏、中国語圏、フランス語圏等で翻訳刊行され、世界中で愛読されてきた名作絵本です。20年の時を経て、このたび、ついに、日本語での翻訳刊行がかないました。

ママとパパと一緒に訪れた動物園で、女の子は孔雀を追って別の動物園へと繰り出します。ママとパパには見えない動物園で、ゾウやカバと水遊びをし、ミズドリとともに空を飛びます。女の子を探す大人たちの鉛色の現実世界と、女の子と動物たちが遊びに興じる色彩豊かな想像世界とを、作家はユーモアいっぱいに描き分けました。

読むたびに発見があり、ドキドキがとまらない、まごうことなきエンパワーメント絵本です。スージー・リー翻訳絵本『どうぶつえん』がひとりでも多くの読者の手元に届き、末永く愛されることを、心から願っています。(松岡礼子)

『どうぶつえん』( スージー・リー /作、姜汶政、松岡礼子/訳、サウザンブックス社)