教保文庫、2月のエッセイ月間ベストと注目の新刊

教保文庫の2月のエッセイ月間ベスト10と注目の新刊情報をご紹介します。先月に引き続き、俳優キム・ヘジャのエッセイ『생에 감사해(生に感謝して)』がトップ10にランクインしました。かわいいキャラクターが主人公のヒーリングエッセイも、根強い人気を誇っています。

1位:『기분이 태도가 되지 말자(気分が態度にならないように)』キム・スヒョン(ハイスト/2022.11.25)
2位:『생에 감사해(生に感謝して)』キム・ヘジャ(スオソジェ/2022.12.22)
3位: 『오둥이입니다만!(オドゥンイですが!)』ソンスタジオ(ブックロマンス/2023.02.10)
カカオトークの2022年スタンプランキングで8位を獲得したアヒルのキャラクター、オドゥンイが主人公のヒーリングエッセイです。いつもポジティブで「今」を楽しむことができるオドゥンイから、自分自身の愛し方や、くじけそうになっても勇気を出して前に進む方法を学ぶことができる一冊です。イラストが多く、Q&A形式など読みやすい工夫もされています。
4位:『잘될 수밖에 없는 너에게(うまくいくしかない君に)』(10万部記念応援エディション)チェ・ソヨン(ブックロマンス/2022.08.18)
5位:『모든 것은 기본에서 시작한다(すべてのことは基本から始まる)』ソン・ウンジョン(スオソジェ/2021.10.15)
6位:『런던에서 온 평양 여자(ロンドンから来た平壌の女)』オ・ヘソン(ザ・ミラクル/2023.01.26)
2016年、北朝鮮のエリート外交官一家が韓国に亡命したというニュースを記憶している人もいるかもしれません。本書はその当事者である著者が、北朝鮮での生活や亡命を決意した経緯、韓国に来て感じたことなどを詳細に語ったエッセイです。日本から「帰国事業」で北朝鮮に渡った在日朝鮮人らの境遇や、彼らを通して知った日本の文化についての話も出てきます。
7位:『열 번 잘해도 한 번 실수로 무너지는 게 관계다(10回うまくいっても、1度のミスで壊れてしまうのが関係だ)』キム・ダスル(クラウディア/2023.01.20)
8位:『너의 하루가 따숩길 바라(キミの一日がポカポカしてたらいいな)』コ・ウンジ(ブックライフ/2022.12.09)
9位:『기분을 관리하면 인생이 관리된다(感情をコントロールすれば人生をコントロールできる)』キム・ダスル(クラウディア/2022.04.12)
10位:『당신은 결국 무엇이든 해내는 사람(君は結局どんなことでも成し遂げられる人)』(10万部記念特別リカバーエディション)キム・サンヒョン(Feelm/2022.04.20)
著者の3年ぶりの新作として出版され、2022年エッセイランキング5位にランクインした本書は、自分自身を正面から見つめ、自分を信じることを勧めます。「他人から得られるのは不安だけなのです」「大切なのは、ゆっくりでも目的地に向かって進んでいくこと」など、競争社会の中で生きるしかない現代人の心にしみる助言が続きます。10万部突破を記念して出版された本書の表紙は、名前を書き込めるデザインになっています。

注目の新刊
『날씨와 얼굴(天気と顔)』イ・スラ(ユゴー/2023.02.20)
『日刊イ・スラ 私たちのあいだの話』(原田里美・宮里綾羽訳、朝日出版社)の著者による新刊です。本書は、京郷新聞に連載された2年分の原稿を加筆修正し、新たな作品を加えてまとめたものです。「私が食べ、身に着け、使うものすべての前後にどんな存在が隠れているのかを想像し続けたいと思う」と著者は語ります。障がい者や移民女性など、社会がきちんと直視してこなかった存在の「顔」、食用にされる畜産動物の「顔」を丁寧に見つめながら、気候変動や労働問題などについて語ったエッセイ集です。(文/金知子)