●本書の概略
ソウル大学病院の教授である著者が、幼い息子に宛てた人生の指南書。思考・習慣・勉強・仕事・対人関係に至るまで、人生を生き抜くための196のアドバイスを集めた一冊。子どもを持つ親からの共感を得て、韓国の書籍売り上げランキング(自己啓発部門)にて、16週トップ20に入った作品。
●あらすじ
【本文より】
・できれば失敗は一度まで
・ソファーで寝そべらない
・いつも微笑みを浮かべなさい
・謙虚な姿勢で学問に取り組みなさい
・すべての人が良い人というわけではない
・たまには裁縫とアイロン掛けをしなさい
・何事も最初の15日間は一番つらい時期だ
・無知は罪にもなり得る
・努力した分だけ返ってくるわけではない
・配慮はほとんどの問題を解決する
・人の為に自分を犠牲にできる人を尊敬しなさい
●日本でのアピールポイント
子どもの起床前に出勤し、就寝後に帰宅する。日韓両国でもそんな父親は珍しくないのではないだろうか。著者もまた例外でなく、大学病院の教授として仕事に追われる毎日を送る。そんな著者が息子に宛てた人生の哲学書というだけあり、第一線で活躍する現役医師ならではの視点から、具体的かつ親身なアドバイスが綴られている。大人はもちろん小学生にも分かりやすい文章で書かれており、勉強や未来について、どの章から読んでも新たな発想や見識を広げてくれるだろう。
また本書は、ともすると抽象的なアドバイスやきれいごとで終わってしまいがちな自己啓発本とはひと味違っている。韓国人らしいストレートではっきりとした意見、時にクスッと笑える斬新な発想もまた本書の魅力と言えよう。日韓の国民性の違いが垣間見えると同時に、日本の自己啓発本とは趣の異なる新鮮さを味わうことができる。
著者のド直球なアドバイスはいま人生に迷い疲れた人も、そうでない人にとっても、生活の気づきやヒントを与えてくれること必至の一冊になるだろう。
(作成:朴純実)