『韓国の小説家たち Ⅱ』(キム・グミ、チョン・ユジョン、コン・ジヨンほか/著 呉永雅、カン・バンファ、斎藤真理子ほか/訳 クオン)

作家が作家に聞く、ロングインタビュー集第2弾『韓国の小説家たち Ⅱ』が刊行されました。今作のインタビュイーはキム・グミ、チョン・ユジョン、コン・ジヨン、ウン・ヒギョン、チョン・ミョングァンの5人。「小説を書くとはどういうことか」「小説を読むとはどういうことか」「面白くない小説とは」「作家としてどう生きるか」など、作家どうしだからこその内容の濃い文学談義が繰り広げられています。編集を担当された清水知佐子さんにメッセージを寄せていただきましたので、ご紹介します。

5人の作家の作品を読んだことのある人はもう一度、まだ読んだことのない人は必ず読みたくなるはず。セウォル号事故以降、書くこととどう向き合ってきたか(キム・グミ)、思わず映像化したくなる小説が生まれる理由(チョン・ユジョン)、女性として、作家として、フェミニストとして闘ってきた果てに(コン・ジヨン)、維新体制の下で教育を受けた「優等生」としての葛藤と責任(ウン・ヒギョン)、境界に立つ作家としての韓国の文壇システム批判(チョン・ミョングァン)などが赤裸々に語られています。本書の元となっているのは、ビジュアル誌のような構成が特徴の文芸誌『Axt』。そのコンセプトを生かした、凝った装丁にも注目いただけるとうれしいです。(清水知佐子)

『韓国の小説家たち Ⅱ』(キム・グミ、チョン・ユジョンほか/著 呉永雅、カン・バンファほか/訳 クオン)