教保文庫、2月の月間ベストと注目の新刊(エッセイ)

教保文庫の2月のエッセイ月間ベスト10と注目の新刊情報をご紹介します。先月ご紹介した、パク・ワンソのエッセイ集『사랑을 무게로 안 느끼게(愛を重みとして感じないように)』が4位にランクインしました。注目の新刊では、昆虫の世界から人間の生を見つめるという、興味深い内容の書籍を取り上げました。

1位:『나는 메트로폴리탄 미술관의 경비원입니다(私はメトロポリタン美術館の警備員です)』パトリック・ブリンリー/キム・ヒジョン、チョ・ヒョンジュ訳(ウンジン知識ハウス/2023.11.24)
2位:『보편의 단어(普遍の単語)』イ・ギジュ(マルグルト/2024.01.11)
3位:『내가 한 말을 내가 오해하지 않기로 함(僕が言った言葉を僕が誤解しないようにすること)』ムン・サンフン(ウィナスブック/2024.01.05)
4位:『사랑을 무게로 안 느끼게(愛を重みとして感じないように)』パク・ワンソ(世界社/2024.01.23)
5位:『푸바오, 언제나 사랑해(プーバオ、いつも大好きだよ)』文/写真:エバーランド動物園(シゴンジュニア/2024.01.15)
6位:『기분이 태도가 되지 말자(気分が態度にならないように)』キム・スヒョン(ハイスト/2022.11.25)
7位:『인생은 순간이다(人生は瞬間だ)』キム・ソングン(ダサンブックス/2023.11.15)
8位:『당신은 결국 무엇이든 해내는 사람(君は結局何でもやり遂げる人)』(10万部記念特別リカバーエディション)キム・サンヒョン(Feelm/2022.04.20)
9位:『모든 것은 기본에서 시작한다(すべてのことは基本から始まる)』ソン・ウンジョン(スオソジェ/2021.10.15)
10位:『우리가 작별 인사를 할 때마다(私たちが別れの挨拶をするたびに)』文:マーガレット・レンクル、絵:ビリー・レンクル/チェ・ジョンス訳(ウルユ文学社/2023.12.25)
著者は、ニューヨーク・タイムズ紙のコラムニストです。テネシー州ナッシュビルの自然の中で過ごした日々を回想したエッセイで、病に臥せった家族の看病で疲れ切ってしまった彼女が、野生動物たちを眺めながら「今を生きる大切さ」や人生の知恵を得る姿が印象的です。各チャプターが4ページ以内と短く、それぞれに「桃」「睡蓮」「雷雨」「兎」などのタイトルがつけられています。

注目の新刊
『눈물꽃 소년(涙の花の少年)』パク・ノヘ(ヌリンコルム/2024.02.22)
詩人である著者が国民学校(小学校)を卒業するまでの、幼い頃の話が綴られた自伝エッセイです。両親や祖母とのエピソード、自作の詩を初めて人に見せた日、夢について考えたこと……。数々の思い出に触れるうちに、読者自身も幼い頃の感情を思い出すでしょう。33編の文章とともに、著者が鉛筆で描いた絵が載せられています。邦訳書として詩集『いまは輝かなくとも』(康宗憲、福井祐二訳/影書房)が出版されています。

『최재천의 곤충사회(チェ・ジェチョンの昆虫の社会)』チェ・ジェチョン(ヨルリムウォン/2024.02.13)
生態学者であり、動物行動学者、社会生物学者でもある著者による、「2ミリの小さくて美しい昆虫の社会の驚異から出発する、ホモサピエンスの奇異な行動」を綴ったエッセイです。1部では若かりし頃の著者が「ホモサピエンスという動物」としての人間を研究するに至った経緯、2部では人間と違うようで似ている昆虫の世界、3部では「昆虫が消えつつある」今、私たちに与えられた唯一の選択肢である「生態的転換」について語ります。気候変動が進行し、生物多様性が失われつつある中で、「人間はこの地球であとどれぐらい生き延びることができるだろうか」という問いを投げかけながら、昆虫の社会をはじめとした自然の生態系から多くのことを学びます。(文/金知子)