●本書の概略
自慢のきいろい長ぐつを履きたくて、じっと雨の日を待つ主人公。やっと雨が降ったと思ったら、肝心の長ぐつが下駄箱から消えてしまった! 急いで探さないと。植木鉢、おもちゃの汽車、カタツムリの家…きいろくて似たような形のものがすべて長ぐつに見えてしまう。しかし本物は一向に見つからない。すると突然、大きな恐竜があらわれて…!?
のんびりした物語だと思ったら大間違い。予想外の展開が続き、長ぐつの行方や消えた理由が少しずつ見えてくる。絵本の中にはヒントが散りばめられ、謎解き要素も楽しめる。
●日本でのアピールポイント
まずはのんびりとした絵柄に癒されます。また、元気いっぱいの主人公が魅力的で、明るい気持ちになれるでしょう。しかし内容は意外と奥深く、どうして長ぐつが消えてしまったのか、単純にストーリーを追うだけでは分かりません。
物語のはじまりとともにひとつ、主人公が長ぐつを探すのをあきらめた頃にひとつ、そして最後に雨がやんだときにひとつ、小さなヒントが隠されています。いちど読んだだけでは見つけられないかもしれません。開くごとに新たな発見がある1冊です。
(作成:黄理愛)