●本書の概略
俳優、映画監督、画家などさまざまな分野で多彩な才能を発揮している韓国人俳優ハ・ジョンウの二作目となるエッセイ。俳優として忙しい毎日を送りながら、ソウルの江南から弘大まで、一日3万歩、時には10万歩の距離を歩く。彼にとって歩くとは、両足で行う切実な祈りであり、自分だけの呼吸と歩幅を忘れないという誓いでもある。
本書では、芸能界きっての「歩きマニア」として知られるハ・ジョンウが歩くことを始めたきっかけや歩くことのダイエット効果、ソウルやハワイでのウォーキングのお薦めのコースなどを紹介している。歩くことを通じて感じた人生や仕事との向き合い方についても率直に語っている。
●目次
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一日3万歩、時には10万歩
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食べる、歩く、笑う
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人間、歩きながらさまよう存在
●日本でのアピールポイント
日本では年々、マラソンやウォーキングなど健康への関心が高まっている。本書では歩くことの効能だけでなく、「つらいときは歩く」「布団から出られなくても、まずは起きる」など、自分の経験を基に歩くことを習慣化するためのアドバイスもあり、これから歩いてみたい人や挫折した人には参考になる部分も多い。
また、今年5月から6月にかけて、ハ・ジョンウが主演し、韓国で1000万人以上を動員した大ヒット映画『神と共に 第一章:罪と罰』『神と共に 第二章:因と縁』が相次いで公開される。ここ数年、日本でも韓国映画『タクシー運転手~海を越えた約束』や『1987、ある闘いの真実』がヒットし、再び韓国映画への関心が高まっている。ヒット作に相次いで出演しているハ・ジョンウのエッセイは、映画ファンにも関心を集めると思う。
(砂上麻子)