左右の耳の長さが異なるウサギのソルトとともに生きづらさの正体を語ったベストセラーエッセイ『わたしの心が傷つかないように』の著者ソルレダさんの最新刊『わたしの中の黒い感情』(桑畑優香/訳、ポプラ社)が出版されました。抱かないほうがいいと思われているネガティブな感情、不安や憎しみ、憤り、焦燥感、自己嫌悪などの「黒い感情」とどのように向き合えば、あるいはどのように避ければ、よりよい精神生活を送れるかがわかりやすく書かれています。本書も前作同様ソルトが活躍!訳者の桑畑優香さんからメッセージをいただきましたのでご紹介します。
なぜか、得体のしれないどろどろした気持ちがこみ上げてくる。自分のことなのに、自分の感情が分からない……。こんなことはありませんか? わたしはあります。ふつうに、あります。本書の試訳をして最初に開いたのは「憎しみ」のページ。そこには、当時抱いていた真っ黒な感情の正体が記されていて、はっとしました。得体のしれない感情を言語化することで、自分を見つめ、気づくともやもやは解消していました。
著者のソルレダさんは、ベストセラー『わたしの心が傷つかないように』(BTS J-HOPEの愛読書!)で心の影に気づくことを教えてくれた人。本著では、カウンセリング心理学の知識を生かし、「黒い感情」へと深く踏み込み、こう説きます。「黒い感情をひとつずつ理解していけば、自分のことをもっと大事にできるようになるでしょう」と。
2022年にリクルートマネジメントが行った調査によると、20~49歳の会社員たちが直近1カ月の仕事中に経験した感情は、「心配・不安(78.2%)」「怒り・嫌悪(71.6%)」「退屈・無意味(64.1%)」といずれもネガティブな感情が上位を占めていて、さらにその中で感情の種類が分かれています。このように、ネガティブな感情は多くの人が抱きやすい上に、個人によって感じ方は異なるので複雑化しやすいのです。70種類の感情のリストが載っている本著は、いわば「読む処方箋」。もやもや、どろどろ、得体のしれない感情が湧いてきた時に、開いてみると、きっとこれまでとは違う自分が見えてくるはずです。(桑畑優香)
『わたしの中の黒い感情』(ソルレダ/著、桑畑優香/訳、ポプラ社)