ライフスタイルを提案する書店「ARC・N・BOOK」(韓国通信)

 ソウルの地下鉄、乙支路入口駅直結のビルに、セレクトダイニング(人気飲食店を集めた空間)の企画会社OTDコーポレーションが手掛けた「DISTRICT. C」という空間があります。「人のための本、人と本のための空間」をコンセプトとした、一種の「融合店舗」です。約860平方メートルのフロアには、同じくOTDがプロデュースした大型書店「ARC・N・BOOK」をはじめ、話題の飲食店や雑貨店が入っています。店と店の間は壁で仕切られているわけではなく、アーチ型の書棚をくぐるとレストラン、といった具合に、互いに溶け込み合っています。

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 アメリカ映画『華麗なるギャツビー』をイメージしたという空間は全体に華やかな雰囲気です。随所にアーチ構造が取り入れられていて、なかでも美しいアーチを描く本のトンネルは印象的。使われているのはすべて本物の書籍だそうです。ほかにも、重厚感のあるレジカウンターや、電話ボックス型の書籍検索機、街灯を模した照明、天井まで届く巨大な書棚など、個性的なインテリアが目を引きます。
ARC・N・BOOKは本を販売するだけでなくライフスタイルを提案するキュレーション書店で、計3万冊の本や雑貨が並んでいます。売り場は「日常」「週末」「インスピレーション」「スタイル」の大きく4つのテーマで区分けされていて、それぞれさらに具体的なテーマや提案が表示されています。例えば「週末」エリアには「家族という名で共有した思い出は詩になる」と書かれたボードがありました。「いつからか近くて遠い存在になった、家族という上辺だけの名前。どうして自分は家族から遠ざかるようになったのだろう……。これを機に家族と週末旅行に出かけてみてはいかがですか」という提案とともに、旅関連のおすすめの本やグッズが並んでいます。ほかにも「いい本を選ぶコツは?」「お酒についてどれくらいご存知ですか?」「心に刻むもう一つの読書法、筆写」「週に1冊の本プロジェクト」など、具体的で多彩な提案を訪れた人に投げかけます。

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 充電用コンセントつきのソファもたくさんあるので、気になった本のページをめくってみたり、コーヒーを飲みながら一休みしたりと、ゆったりとしたひとときが過ごせそうです。
ARC・N・BOOKはここ市庁店(ソウル市中区)を皮切りに、聖水店(ソウル市城東区)、水枝店(京畿道龍仁市)、新村店(ソウル市西大門区)と、続々と店舗を増やしています。(文・写真/牧野美加)

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ARC・N・BOOK 市庁店
住所:ソウル市中区乙支路29 富栄乙支ビル地下1階(地下鉄2号線乙支路駅1-1出口直結)
電話:070-8822-6489
営業時間:10~22時
年中無休