『氷の木の森』(ハ・ジウン/著、カン・バンファ/訳、ハーパーコリンズ・ジャパン)

音楽×ミステリ×ファンタジーの傑作。
音楽の都で出会った孤高の天才バイオリニストと、純真無垢なピアニスト。相反する彼らを待ち受ける悲しき運命とは・・・。

本作『氷の木の森』で小説家デビューしたハ・ジウン作家。スリラーとファンタジーの要素が絡み合う本作は、韓国で大人気となり、オーディオドラマとしても記録的な販売部数を誇った作品で、2020年に改訂版が復刊され、韓国インターネット書店のファンタジー部門でベストセラー1位に選ばれた作品の待望の翻訳版です。

 

本作の訳者カン・バンファさんより読者の皆さんへメッセージを頂戴しました。

「ファンタジー性をもつ韓国文学」ではなく「純粋なる韓国ファンタジー文学」の日本上陸は、もしかすると初めてに近いのではないでしょうか。
『氷の木の森』は背景から登場人物まで、すべてが著者によって綿密につくりこまれています。韓国社会を少しも反映させていない韓国文学というのは、むしろ珍しいと感じるかもしれません。本書に出てくる比喩までもが架空のものなのですから、著者がつくり上げた世
界観にどっぷりはまりたい!というタイプの読書が好きな方にはぜひお勧めです。
500ページ超えというボリュームではありますが、度重なる不可解な事件や、胸を揺さぶられるような演奏の描写に身を任せるうちにわれをも忘れ、はっと気づけば登場人物たちを懐かしみながら本を閉じている自分を発見しているはずです。
ハーパーコリンズ・ジャパンのnoteに「訳者あとがきにかえて:『氷の木の森』 愛する人の唯一の存在になること、その闘い」というタイトルでも書きましたが、これは愛を探し求め、愛を追い続ける物語でもあります。魅力的な人物が満載なので、ぜひみなさんの推し
キャラを見つけてください。(カン・バンファ)

『氷の木の森』(ハ・ジウン/著、カン・バンファ/訳、ハーパーコリンズ・ジャパン)