●本書の概略
本書での「魔女」とは「心に決めたとおりに生きる女性（マウムモグンデロ サヌン ニョ」を指す。
冒頭、二重まぶた整形（！）のため手術台に上がった著者が、麻酔で意識が薄れていく中「このまま死んでしまったら一番後悔することは何だろう」と自分に問いかけ「これからは心に決めたとおりに生きよう」と誓ったことがつづられている。
毎日の習慣の積み重ねがその人そのものを作っていく。なりたい自分を明確にしアップデートしながら自分に適した習慣を続けることが、心に決めたとおりに生きる「魔女」だ。
理想とするものがあっても、実現に向けた日々の努力習慣が長続きしなかったことは誰にでも経験があるだろう。習慣はたった一日で身につくものではない。また、習慣化の方法に正解もない。始めるのにちょうど良いタイミングはなく思い立った時こそが始める時なのだ。習慣化のための具体的な手法はもちろん、うまくいかなかった時の対処方法、実行している習慣が自分に合っているかどうか定期的にチェックすること、刺激を得るため同じ目標を持つ人に会うことなど、習慣を自分のものにするためのノウハウが詰め込まれている。
自分らしく生きるための一番のハードルは、実は自分自身だ。自分で「こんなものだ」とあきらめていないか。誰もが「魔女」になれる。サンナクチ（タコの踊り食い）のタコのように、生きているのか死んでいるのかわからないまま生きたくない。人生の鏡に映し出される自分の姿が、堂々と美しくあるよう生きていこうと語りかける。
●目次
CHAPTER１ 魔女のブルべ・イエベ インサイト
０１ イエベ インサイト
０２ ブルべ インサイト
CHAPTER２ 魔女習慣
０１ 魔女習慣の公式
０２ 習慣リバウンド
０３ 習慣不変の法則
CHAPTER３ 魔女の心と身体のエステ
０１ 心のエステ
０２ 身体のエステ
CHAPTER４ 魔女の潜在能力
０１ すべての嘘
０２ 自分自身への嘘
０３ 魔女の潜在能力を引き出す
●日本でのアピールポイント
習慣化についての自己啓発本だが、「魔女」というキーワードで引きつけ特に女性読者層の共感を得ている。
1978年生まれの著者は２人の子どもを持つ主婦だったが、夫が倒れたことをきっかけに近所のスーパーのレジ係に応募するも「仕事ができなそう」という理由で落とされてしまう。もう一度自分をしっかり成長させようと決心し様々な自己啓発法を試行錯誤した末に得た、自分らしく生きるための習慣化がうまくいくための具体的なアドバイスの数々は説得力がある。
チャパゲティの好みの調理法は千差万別であることを例に、自分らしい生き方を探すには他人に委ねず自分自身に問いかけるしか方法がないことを説くなど、終始ユニークな切り口でわかりやすい。また、親しい友人に語りかけるようなくだけた表現の文章でつづられており、肩の力を抜いて読み進められる。
（作成：今野由紀）
