●本書の概略
著者は専門医としての43年間の経験をもとに、家でごはんを作って食べることの重要性と、そのための方法をわかりやすく解説する。食材に含まれる栄養分について私たちが思い込んでいる常識や誤解をやさしく正し、どんな食材を、いつどのように食べるべきか、家でご飯を作って食べる習慣をつけるための実践方法も詳しく説明する。
白米や精製した白い小麦粉のパンより、玄米や全粒粉パンを食べたほうがよい本当の理由、酢を健康のシンボルのように賞賛しすぎてはいけないこと、塩選びにこだわる理由はあまりないこと、意識して肉や魚を食べるより、菜食しながら炭水化物を多く食べるほうが望ましい理由など、それぞれ科学的な根拠を挙げながら丁寧に解き明かしてくれる。また、むやみに広く何でもたくさん食べるのではなく、食べずに休む時間を体に与えて体を癒すことの大切さや、健康に食べるための具体的な調理方法も紹介する。
うちでごはんを作って食べることは、私たちの健康の向上に結び付くだけではなく、地球の生態系を維持することにもつながるという視点も紹介し、一人一人が日常で食べることの意味を改めて考えてみるためのきっかけとなる一冊だ。
●目次
推薦のことば 健康な食習慣が健康な生態系を作る
序文 小さな実践として健康な食べ物について見てみよう
第1章 食べ物は病気を予防する
第2章 栄養成分をきちんと知ろう
第3章 どんな食材を食べるか
第4章 いつどのように食べるか
第5章 うちでごはんの習慣をつけよう
エピローグ どんなことがあっても食生活の習慣はあきらめてはいけない
●日本でのアピールポイント
文明が発達した国では、健康に食べることが大きな関心事になっている。体のことを考えて、高たんぱく・低糖質・低脂質の食事を徹底し、オーガニック野菜しか食べないなど、それぞれこだわりを持って実践している人は韓国にも日本にもたくさんいるだろう。
一方で、著者が医師として人々に接してきた状況で、健康な食生活をしていても、アレルギーや若い人のがんが急増する現状を目の当たりにして、その原因が人々の食事にあるのではないかと考えるようになった。健康に食べようとしている人たちの実践方法がすべて間違っているわけではないが、実際には科学的に見てあまり意味のないことをしている場合もある。本書では、栄養や食材、さらに調理方法についての正しい知識や常識を持ったうえで、うちでごはんを作って食べることこそが健康にとって一番大切だということをわかりやすく理解させてくれる。そして、日常のすべての食事を「うちでごはん」にするのではなく、時には楽しく思い切り外食することも大いに勧めている点に説得力がある。
一人一人が「うちでごはん」を意識して、各自ができる範囲から少しずつでも実践を始めることが地球環境の維持にもつながるという視点は、とてもユニークで興味深い。
(作成:伊賀山 直樹)

