『わたしたちの心をつなぐ ふつうのことばたち』(キム・イナ /著、たなともこ/訳、イースト・プレス))

IVE、IU、SHINeeなど多数のアーティストの作詞を手掛けた、キム・イナさんによる「言葉」についてやさしく語り掛けてくるように綴られたエッセイです。中でも「対話」について書かれた中にあった“多くの人が「よい対話」のための話法や話し方を学びたがる。しかし、対話の真髄は「相手の心をどうしたらきちんと探れるか」にある”の言葉にハッとさせられました。私たちが普段何気なく毎日行っている行動にもこうした解釈を与えてくれることで、新たな向き合い方ができる、そんな気持ちになりました。目次の中から気になる言葉を選び出し読み進めることをおすすめします。それがまさに今、皆さん自身が求めていることなのだと思うのです。

翻訳者のたなともこさんから推薦のメッセージを頂戴しました。

正しいことばの裏側にあるものや人に失望した経験。
その反対につたない外国語やことばを通してでも、誰かと心が通じ合うことってないでしょうか。
ことばによって心を分かち合うことはとても難しい気がします。

属性がちがう色んな人たちが集う場所としてのラジオ。
YouTube『須磨寺小池陽人の随想録・ことばの種まき対談』で
元NHKアナウンサーの村上信夫さんは、「喜怒哀楽の奥底にあるものを共有できるのがラジオ」だと話されていました。

本書の著者であるキム・イナさんはその空間を大切にし、
相手の喜びや悲しみに寄りそって気持ちを分かち合うことを厭わない人です。

日常で使うことばを紐解くことで、
気持ちよく生きるためのヒントが得られるかもしれません。
『ふつうのことばたち』には、そんなキム・イナさんの想いが綴られています。
章ごとの韓国語タイトルと素敵なイラスト、デザインもぜひ楽しんでみてください!

たなともこ

『わたしたちの心をつなぐ ふつうのことばたち』(キム・イナ /著、たなともこ/訳、イースト・プレス)