教保文庫、1月の月間ベストと注目の新刊(エッセイ)

教保文庫の1月のエッセイ月間ベスト10と注目の新刊情報をご紹介します。『白と黒のスプーン~料理階級戦争~』への出演で日本でも広く知られるようになった料理人チェ・ガンロクのエッセイが1位にランクインしました。注目の新刊では、イ・スラの15冊目となるエッセイを紹介しています。

1位:『요리를 한다는 것(料理をするということ)』チェ・ガンロク(クル/2025.06.23)
Netflixオリジナル料理番組『白と黒のスプーン~料理階級戦争~』のシーズン2で優勝したシェフによる、食と人生に関するエッセイです。「食べ物」「料理」「レストラン」「料理人」という4つのキーワードを軸に、「食べる」という行為から生きることを見つめ直します。「食べるという行為は、口の中に美味しいものを入れることだけにとどまらず、私たちの人生に『満足のいく時間』を追加することなのだと思う」「炭には燃焼のピークがあり、人生にも全盛期があることから、炭を人生に例えたいと思っていたが、結局は灰になってしまうという虚しさまで備えていたのだ」など、思わず頷いてしまう言葉に出合えます。
2位:『행복할 거야 이래도 되나 싶을 정도로(幸せになれるはず、不安になるほどに)(10万部記念教保文庫単独リカバー)』イルホン(ブクロム/2024.07.29)
3位:『어른의 품위(大人の品位)』チェ・ソヨン(ブックロマンス/2025.10.01)
4位:『어른의 행복은 조용하다(大人の幸せは静かだ)』テス(ページ2ブックス/2024.11.04)
5位:『기분이 태도가 되지 않게(헬로키티 에디션)(気分が態度にならないように(ハローキティエディション))』レモン心理著、パク・ヨンラン訳(ガレオン/2025.11.12)
6位:『너를 아끼며 살아라(君を大切にしながら生きて)』ナ・テジュ(ダブルブック/2025.06.12)
7位:『제철 행복(旬の幸せ)』キム・シンジ(インフルエンシャル/2024.04.25)
何気ない日常を意味あるものにする方法を丁寧に語ってきた著者が、「二十四節気」に着目し、季節に足並みをそろえながら得る幸せを語ります。穀雨のころにはセリのチヂミを味わい、立夏の散歩道ではエゴノキ、ミズキなどの白い花を確かめ、白露には必死になってどんぐりを探すなど、目の前の季節を逃さないことは、幸せになれるチャンスを逃さなさないことでもあるといいます。四季を24の季節に刻み直すことで、暮らしの中の喜びが増えることを伝えます。
8位:『다정한 사람이 이긴다(優しい人が勝つ)』イ・へイン(Feelm/2025.08.13)
9位:『단 한 번의 삶(一度きりの人生)』キム・ヨンハ(ボクボクソガ/2025.04.06)
10位:『외롭다면 잘 살고 있는 것이다(寂しいならうまく生きている証拠だ)』(ページ2ブックス/2025.11.19)
ブログやSNSで文章を書き続けてきた著者による「孤独」を見つめるエッセイが出版されました。16年間勤めた会社で孤独を感じながらも、「孤独は、私を『ひとりでいる方法』へと導いてくれた。そのおかげで、自分がどんな人間なのかを少しずつ知りはじめ」、そこから確かな気づきを得たといいます。苦しみや寂しさとして語られがちな孤独を、自己理解へとつながるきっかけとして捉え直すという新鮮な視点を得られる内容です。

注目の新刊
『갈등하는 눈동자(葛藤する瞳)』イ・スラ著、イ・フォン写真(モンゴップレス/2026.01.05)
『わたしは泣くたびにママの顔になる』(桑畑優香訳、かんき出版)や『29歳、今日から私が家長です。』(清水知佐子訳、‎ CEメディアハウス)で知られるイ・スラの15冊目の著書となる本書には、18編のエッセイに加えて講演録やインタビューが収められています。障がい者の移動権を求めて闘うイ・ギュシク、「ウェブ詩集」という形式で詩を公開したケ・ミヒョン、世の中への怒りを詩にぶつけるデンマークの詩人マヤとの出会いなど、イ・スラの視線を通して葛藤する人たちの瞳に向き合います。

『오십부터는 단순하게 사는 게 좋다(50からはシンプルに生きるのが良い)』イ・グヌ(21世紀ブックス/2026.01.14)
著者は、精神科医という立場からベストセラー『僕は死ぬまで楽しく生きたい』を始め、人生や生き方について語る著書を数多く執筆しています。本書は、50代以降の身体の衰えとともに襲ってくる不安や無気力、喪失感などの原因を分析し、感情に抗うよりもシンプルに心を整えることが現実的な解決策だと説きます。90歳を迎えた著者の経験をもとに綴られており、人生後半を生きる指針を得られそうです。(文/金知子)