
教保文庫の2026年1月の月間ベスト10および注目の新刊(韓国小説)をご紹介します。1月21日に発売されたばかりの新刊『나의 완벽한 장례식(私の完璧なお葬式)』が、初登場で10位にランクインしました。注目の新刊・近刊では、没後15年を迎えた韓国の国民的作家パク・ワンソの短編集や、『種の起源』(カン・バンファ訳/早川書房/2019)など既に邦訳のあるチョン・ユジョンによるロングセラー作品の改訂版などを取り上げています。
1位:『안녕이라 그랬어(アンニョン、と言った)』キム・エラン著(文学トンネ/2025.6.20)
2位:『자몽살구클럽(チャモンサルグクラブ/グレープフルーツアプリコットクラブ)』ハンロロ著(オーセンティック/2025.7.25)
3位:『모순(矛盾)』(ハードカバー)梁貴子(ヤン・グィジャ)著(スダ/2013.4.1)
4位:『혼모노(ホンモノ)』ソン・ヘナ著(チャンビ/2025.3.28)
5位:『절창(切創)』(10万部記念ブラックエディション)ク・ビョンモ著(文学トンネ/2025.9.17)
6位:『급류(急流)』チョン・デゴン著(民音社/2022.12.22)
7位:『할매(ハルメ)』黄晢暎(ファン・ソギョン)著(チャンビ/2025.12.12)
8位:『소년이 온다(少年が来る)』ハン・ガン著(チャンビ/2014.5.19)邦訳版『少年が来る』(井出俊作訳/クオン)
9位:『나는 소망한다 내게 금지된 것을(私は望む 私に禁止されたことを)』梁貴子(ヤン・グィジャ)著(スダ/2019.4.20)
10位:『나의 완벽한 장례식(私の完璧なお葬式)』チョ・ヒョンソン著(ブックロマンス/2026.1.21) 大学病院の1階にある売店で、学費を稼ぐために深夜勤務を始めた20歳のナヒ。病院が最も静まり返る深夜2時になると売店には不思議な客が現れ、おかしな注文を口にする。どこか現実離れしたその言葉の数々に触れるうち、彼らの正体に気づいたナヒは、その注文を叶えるために動きはじめる。不思議な客たちの静かで切実な願いが温かな余韻を残すヒーリングファンタジー小説です。
注目の新刊と近刊は以下のとおりです。
『쥬디 할머니쥬디 할머니 – 소설가가 사랑하는 박완서 단편 베스트 10(ジュディおばあさん―小説家が愛するパク・ワンソ短編ベスト10)』パク・ワンソ著/文学トンネ/2026.1.20
韓国を代表する作家のパク・ワンソの逝去15周年を記念して編まれた短編小説集。不朽の名作『도둑맞은 가난(盗まれた貧しさ)』(邦訳『韓国現代文学13人集』新潮社/1981収録)を始め、31人の作家により選ばれた珠玉の10編が収められています。
『눈과 돌멩이 제49회 이상문학상 작품집 2026년(『雪と石ころ 第49回李箱文学賞作品集2026年)』ウィ・スジョン、キム・ヘジン他著/タサンチェッパン/2026.1.23
大賞を受賞した表題作「雪と石ころ」は、20年来の友人であるスジンを失ったユミとジェハンが、彼女が生前に立てていた日本への旅程を遺骨とともに辿る物語です。本書にはその他に、大賞に選ばれたウィ・スジョン自選の作品1編と、優秀賞受賞作品5編、作家との対談や審査評などが収録されています。
『내 심장을 쏴라 개정판(俺の心臓を撃て 改訂版)』チョン・ユジョン/ウネンナム/2026.2.6
第5回世界文学賞受賞作。精神病院を舞台に自由を求める二人の若者の姿を描いた長編小説で、2015年には同名で映画化もされています。2009年の刊行以来、幅広い支持を集め、累計53刷を重ねるロングセラーとなった本作が、この度、SNSで人気のイラストレーター 약국(Yakguk)によるデザインで表紙を刷新し、若い読者の感性に響く装いの改訂版として登場しました。(文/高上由賀)
