
教保文庫の2025年11月の月間ベスト10と注目の新刊情報(韓国小説)をご紹介します。国内外で累計200万部以上を売り上げ、韓国のファンタジーブームを牽引した『ドラゴンラージャ』の著者イ・ヨンドの新作小説が初登場で9位にランクインしました。注目の新刊で詳しく取り上げています。
1位:『절창(切創)』ク・ビョンモ著(文学トンネ/2025.9.17)
2位:『모순(矛盾)』(ハードカバー)梁貴子(ヤン・グィジャ)著(スダ/20134.1)
3位:『혼모노(ホンモノ)』ソン・ヘナ著(チャンビ/2025.3.28)
4位:『자몽살구클럽(チャモンサルグクラブ/グレープフルーツアプリコットクラブ)』ハンロロ著(オーセンティック/2025.7.25)
5位:『아무도 오지 않는 곳에서』(誰も来ない場所で)』チョン・ソンラン著(ハブル/2025.10.27)
6位:『소년이 온다(少年が来る)』ハン・ガン著(チャンビ/2014.5.19)邦訳版『少年が来る』(井出俊作訳/クオン)
7位:『급류(急流)』チョン・デゴン著(民音社/2022.12.22)
8位:『나는 소망한다 내게 금지된 것을(私は望む 私に禁止されたことを)』梁貴子(ヤン・グィジャ)著(スダ/2019.4.20)
9位:『어스탐 경의 임사전언(アースタム卿の遺言)』イ・ヨンド著(ファングムカジ/2025.11.7)
10位:『채식주의자(菜食主義者)』ハン・ガン著(チャンビ/2022.3.28)邦訳版『菜食主義者』(きむふな訳/クオン)
注目の新刊と近刊は以下のとおりです。
『어스탐 경의 임사전언(アースタム卿の遺言)』イ・ヨンド著(ファングムカジ/2025.11.7)
全12巻のファンタジー長編小説『ドラゴンラージャ』(金田榮路絵/洪和美訳/岩崎書店)や『涙を呑む鳥』(小西直子訳/早川書房)が邦訳出版されている大人気ファンタジー作家による7年ぶりの新作小説です。何者かに襲撃され命の危機に瀕した人気作家のA氏。死の間際で、彼は容疑者を特定するためのダイイングメッセージを残そうとしますが、そのメッセージはあまりにも長く、9冊分にも及ぶ連載小説として展開していきます。果たしてA氏は本当に命を落としたのか、そして容疑者は誰なのか――。イ・ヨンド独自のファンタジーの世界に推理とミステリーの要素が巧みに織り込まれた一冊です。
『그 밤의 우리는(その夜の私たちは)』チョン・ソニム著(文学トンネ/2025.11.25)
2023年に若い作家賞を受賞した著者による二作目の小説集です。収録作「その後の私たち」では、変異ウイルスによる隔離生活を余儀なくされた人々が、孤立の中で互いに慰め合い、連帯を模索する姿が描かれます。そのほか、現代都市が抱える介護や世代間摩擦といった問題を背景に、人々の危機感や信頼を問いかける物語が、全8編収められています。
『데뷔 못 하면 죽는 병 걸림4부(デビューできないと死ぬ病気にかかってしまいました第4部)』ペク・ドクス著(ウィッシュブックス/2025.12.08)
日本でもコミック版と小説版が同時に翻訳配信されている、大人気ウェブ小説シリーズの紙書籍版、第4部です。ある日突然、3年前に活動していたアイドル練習生の身体に憑依してしまった主人公が、アイドルデビューを目指して奮闘する日々を描いた物語。新作の第4部ではデビューを目前に控えた試練、仲間との絆、そしてライバルとの熾烈な競争が展開されます。(文/高上由賀)
