教保文庫、3月の月間ベストと注目の新刊(韓国小説)

教保文庫の2026年3月の月間ベスト10および注目の新刊(韓国小説)をご紹介します。2月に引き続き『チャモンサルグクラブ/グレープフルーツアプリコットクラブ)』が1位を獲得しました。2位の『私の完璧なお葬式』は、ビビッドな色合いの表紙も相まって書店でもひときわ目を引いています。注目の新刊では2025年の若い作家賞で大賞を受賞したペク・オニュ初の中短編集などを取り上げています。

1位:『자몽살구클럽(チャモンサルグクラブ/グレープフルーツアプリコットクラブ)』ハンロロ著(オーセンティック/2025.7.25)
2位:『나의 완벽한 장례식(私の完璧なお葬式)』チョ・ヒョンソン著(ブックロマンス/2026.1.21)
3位:『모순(矛盾)』梁貴子(ヤン・グィジャ)著(スダ/2013.4.1)
4位:『죽은 왕녀를 위한 파반느 양장 특별판(亡き王女のためのパヴァーヌ ハードカバー特別版)』パク・ミンギュ著(ウィズダムハウス/2025.11.19)
5位:『혼모노(ホンモノ)』ソン・ヘナ著(チャンビ/2025.3.28)
6位:『급류(急流)』チョン・デゴン著(民音社/2022.12.22)
7位:『세종의 나라 1(世宗の国 上)』キム・ジンミョン/イタブックス/2026.2.24
8位:『안녕이라 그랬어(アンニョン、と言った)』キム・エラン著(文学トンネ/2025.6.20)
9位:『절창(切創)』ク・ビョンモ著(文学トンネ/2025.9.17)
10位:『소년이 온다(少年が来る)』ハン・ガン著(チャンビ/2014.5.19)邦訳版『少年が来る』(井出俊作訳/クオン)

注目の新刊は以下のとおりです。
『약속의 세대 (約束の世代)』ペク・オニュ/文学トンネ/2026.3.20
信じていたものが壊れたとき、人生はどう揺らぐのか。そして、なぜ人は希望を捨てられないのか――。認知症の祖母の資産をめぐり三世代の女性の関係が揺らぐ「반의반의 반(半分の半分の半分)」をはじめ、家族の溝や誤解、裏切りなど、誰もが経験しうる「信じていたものの崩壊」がテーマの小説集です。刊行前に出版社が実施した、作家名を伏せて作品だけを読んでもらうブラインド読書企画では、「一気に引き込まれた」「没入感がすごい」と多くの読者に絶賛されました。壊れた世界の中にも微かに灯る「次の一歩」を見つけたくなる一冊です。

『챗위스키봉봉(チャットウイスキーボンボン)』コ・ミンシル/ビチェ/2026.3.25
タッチパネル式の自動決済端末「キオスク」のオンライン操作案内スタッフのソヌは、AIのように美辞麗句を並べる上司に惹かれながらも、本人には直接聞けない気持ちをChatGPTに相談してしまう――。表題作「チャットウイスキーボンボン」をはじめ、現代のテクノロジーや価値観を鋭く切り取る7編の物語が収められています。便利さの裏に潜む不安や非対面社会の限界を浮かび上がらせながら、韓国の「今」が読者にリアルに伝わってくる一冊です。(文/高上由賀)