●本書の概略
著者のペンネーム「ウッタ」には「笑う」という意味がある。牧師、カウンセラー、講師、YouTuberと多彩な肩書を持つ著者は、二児の母、妻、娘である。誰もが羨む「成功者」でありながら、人間関係の悩みから「仮面うつ病」を発症し、幾度も自らの命を絶とうとする。苦難の中、「仮面」を徐々に外すことで回復に向かう。著者は、未熟さをも自分の一部としてまるごと認めれば、「波乗りするように」しなやかに生きられると語る。肩の力を抜いて人生を自在に楽しむための具体的な方法が、親しい友人とおしゃべりしているような、ユーモアに満ちた温かい言葉でつづられている。
●目次
プロローグ
Part1. ほかの人になろうと頑張るのはやめにした
Part2. 仮面を外してはじめて見えるもの
わたしも知らなかった未熟な心
1.顔色をうかがう
2.いつわりの自分
3.完璧主義
4.愛情不足
5.他人を憎む
6.すぐに傷つく
Part3. 波乗りするように、しなやかに生きていくために
わたしを抱きしめる成熟した心
1.わたしを許す
2.アイデンティティ探し
3.価値化する
4.性格を活用する
5.痛みに耐える
6.力を抜く
エピローグ
●日本でのアピールポイント
日本ではベストセラー『嫌われる勇気』(岸見一郎・古賀史健、ダイヤモンド社)をはじめ、「生き方」の本がよく読まれています。本の中に生きるヒントを探す人々が多いことの現れでしょう。それは韓国でも同じようです。著者は「現代人、とりわけ韓国社会で、心に悩みがない人は存在しないと思います」と語ります。周囲から次々と現れる人生の「宿題」。「宿題」を完璧にやり遂げなければ人から認められないし、自分には価値がないと感じてしまう。人の顔色を窺って行動するうちに、自分の望みが見えなくなる。そんな生きにくさを感じる人々が本書を頼りにしています。実際本書は発売3か月で4刷、著者のYouTubeチャンネルは登録者数17万人を超えました。心理学の知識と自らの経験から紡ぎ出される言葉は「上から」ではありません。読者と同じ目線で語られる言葉は、すっと心に響きます。「力を抜いてしなやかに、すべての瞬間を波乗りするように楽しむ」術が詰まった本書。生き方に悩む日本の人々にも寄り添ってくれるでしょう。
(作成:寺澤春子)