●本書の概略
「フレーム」とは、世界を見る心の窓、つまり、物事を見る観点、固定観念などをいう。フレームは人間の行動、判断などの仮定を特定の方向に誘導し、結果に導く。人間の全ての精神過程(知覚と思考)をフレームが選択的に制限するため、私たちが持っているフレームは私たちがこの世界を理解しやすく助けてくれる一方、視野を狭め、行動まで制約することもある。
一般的に、フレームを「心構え」として理解することも多いが、フレームは自分の言葉、仮定と前提、経験と前後関係を基に私たちが選択、時には新しく設計する対象だ。これによって私たちが得る結果は変わる。
本書ではさまざまな心理学の研究事例を通じてフレームの事例を紹介し、人間の偏見、思考の過ちに自覚指せる。著者は読者にこのような人間の思考や行動の限界を認め、より賢明な生き方を実現するよう呼びかけている。
●目次
Prologue
はじめに l 心理学から学んだ人生の知恵
Chaper 01 フレームのフレーム
Chaper 02 自分を変えるフレーム
Chaper 03 耐えがたい世の中の曖昧さ
Chaper 04 自己フレーム、私が世界の中心
Chapter 05. 人、それとも状況、人間の行動に対する新しいフレーム
Chapter 06. 「私」が状況フレーム
Chapter 07. 現在フレーム、過去と未来を歪曲する理由
Chapter 08. 名称フレーム、賢い消費の邪魔者
Chapter 09. 変化フレーム、経済的選択を左右する力
Chapter 10. 賢明な人のフレーム11ヵ條
Epilogue フレームを変えると人生が変わる
●日本でのアピールポイント
日本は同調圧力が強い社会と言われている。本書では、ただ個人の行動の変化を促すだけではなく、自分自身がどのようなフレームを選択するかによって、他人にどのような影響を与えられるか考えてみてほしいと語っている。人間がただ受動的に慣習や環境に影響される存在ではなく、他人や世の中に影響力を与える存在になれるという新しい観点を提示する。私たちの信念と期待は私たちの行動を変える。そしてその行動はそれに対する他人の行動を変える。
(作成:崔里奈)