知れば役立つクラシック雑学事典(알아두면 쓸모 있는 클래식 잡학사전)

原題
알아두면 쓸모 있는 클래식 잡학사전
著者
チョン・ウンジュ
出版日
2020年9月21日
発行元
株)42メディアコンテンツ
ISBN
9791189620769
定価
15,800ウォン
分野
人文

●本書の概略

「クラシックは毎日の暮らしの中でこそ一番輝く。」こんな思いをもつ著者は、天才と呼ばれる作曲家たちの人間味あふれる逸話から語り始める。女性の指揮者や音楽家たちの現状に対する批判など、音楽界の問題点や、映画のようにロマンチックな曲についても触れている。クラシックの世界を独特の幅広い視点で見つめる著者が綴る一冊である。

●目次

序章
第1楽章  西洋音楽史を飾る音楽家たちのビハインドストーリー
寄付のエンジェル、ハイドン / オーストリアのおじさん、ハイドン / 地上最強 音楽の天才、モーツァルト / 誰にも言えない秘密、ベートーべン / オペラより料理教室、ロッシーニ / 噂のバッハオタク四人組 / マジョルカの自主隔離者、ショパン / めくるめくブロマンス、ショパンとリスト / 計画的な愛の不時着、リスト / 音楽家と詩人の友情、ドビュッシーとマラルメ / 王の男、ワグナー / とてもクラシックな愛猫家、ラベル / 夫婦の世界を凌ぐダメ夫の伝説、ストラビンスキー / アメリカンドリームを叶えたモスクワ紳士、ラフマニノフ

第2楽章  クラシック雑学事典
シュバイツァーとアインシュタインの共通分母 / イタリアの専売特許、バイオリン / 変人ピアニスト グレン・グールド / ガラスの天井を破る女性たちのタクト / 空腹な音楽家たちの二重生活 / 楽器と演奏家の相関関係 / ヨーロッパの三大コンサートホールを紹介します / 色で描かれる音楽 / ルテアルを知っていますか? / クラシックコンサートでの拍手のエチケット

第3楽章  映画のような音楽の話
死者を慰める歌、モーツァルト『レクイエム』 / ギリシャ神話の悲劇が一転、ハッピーエンディング、グルック『オルフェオとエウリディーチェ』 / 結婚式前日に妻に送った花の歌、シューマン『ミルテの花』 / カルメンの呪い、ビゼー『カルメン』 / 未来への完璧な芸術作品『交響曲九番』 / 地球上最も悲しい愛『ロミオとジュリエット』 / 彼らが生きる海、映画『海の上のピアニスト』 / 天上の声のために!映画『レディ・マエストロ』 / ピアニストの夢、映画『シャイン』とラフマニノフ / だましだまされ,まただまされるコメディー『セビリアの理髪師』

終章 パンデミックに寄せて

 

●日本でのアピールポイント

映画と音楽のマリアージュを紹介した第3楽章を読むと、やはり映画と音楽、両方を鑑賞したくなる。また第1楽章のコラムごとにあるQRコードをスマホで読み取れば、すぐに関連した楽曲を聴くことができる。4人のバッハオタク、ベートーヴェン、シューマン、メンデルスゾーン、ブラームスの話を『カンタータ』を聴きながら楽しめる。コロナ禍にあってこうしたアイディアは嬉しい。日本でも子ども向けにQRコードを活かした音楽系の出版物があるが、この本は中高生も楽しむことができよう。

(作成:前田 田鶴子)

チョン・ウンジュ
  クラシック音楽を文章で表現することを生業とする。モーツァルト、ショパン、特にバッハを尊敬する。現在コラムニストとして活動するかたわら、毎週日曜日に釜山文化放送のラジオ番組に出演中。大学でピアノを専攻し中央大学芸術大学院で文芸創作専門家課程修了。