私はがん病棟の特派員です。(저는, 암병동 특파원입니다.)

原題
저는, 암병동 특파원입니다
著者
ファン・スンテク
出版日
2018年11月2日
発行元
ミヌムサ
ISBN
9788937439124
ページ数
227ページ
定価
15000ウォン
分野
エッセイ

●本書の概略

週3回の水泳、お酒もほどほどに、煙草も吸わない私がどうしてこんな病気にかかったのか?

放送記者の私にある日突然訪れた白血病発病の知らせ。健康だと思っていた私を急性リンパ球性白血病という病魔が襲った。白血病は、人生という名のレース上をわき目もふらずに走っていた30代の私を人生レースから引きずりおろした。一介の放送記者から白血病患者となり、その後の闘病生活は私の生活を大きく変えてしまった。2015年に発病、骨髄穿刺の苦痛を乗り越え、抗がん剤の副作用に耐え、緩解したかに見えた白血病は2016年、2018年と再発する。

第一線で活躍していたファン記者の闘病生活を支えたのはなんだったのか?この本は白血病によって「止まってしまった」時間の記録であり、その間のファン記者自身の成長の記録でもある。ファン記者は3年に及ぶ闘病生活を日々SNSに綴った。ある人は激励のメッセージを送り、ある人はファン記者の強靭な意思に感嘆した。また、ある人はどんな状況でもユーモアを忘れないファン記者のポジティブな姿に思わず笑みを浮かべた。文章を書くことを通して、彼は人々の共感を得、自分自身を癒していった。

●目次

プロローグ

白血病の襲撃

ふたたび倒れる

病気がくれたプレゼント

●日本でのアピールポイント

日本では、水泳の日本代表選手である池江璃花子選手が白血病に罹ったことを公表し闘病生活を送ってきた。病魔と闘い東京オリンピックを目前にして、選手として復帰した池江選手を応援する人々は多い。池江選手は自身の水泳に対する思いや、復帰に向けてのトレーニングをTV番組などで公開することで、闘病生活を送る人々を励ましている。

本書は、ファン記者という放送記者の単なる闘病記だけではなく、がんに罹った多くの患者を励まし、がんに打ち勝つポジティブな力を与えてくれる1冊であり、韓国ではSNSを通じて発信され多くの人がファン記者の闘病を応援し、また、逆に励まされている。彼の病気に立ち向かう姿に読者が励まされるのではないかと思う。

作成:菊池 静華

ファン・スンテク
1978年 全羅北道益山(イクサン)市で生まれる。高等学校は春川で卒業し、高麗大学で食品資源経済学を専攻。新しい挑戦を目標に2004年MBNの公開採用試験に合格し、記者生活をスタートし、2011年にチャンネルAの開局と共に移籍。2013年には新聞記者に転身、1年間東亜日報政治部の記者として活動し、その後放送記者に復帰した。 2015年10月最初の白血病の診断に続き、2016年2回目、2018年に3回目の発病をポジティブなエネルギーで打ち勝ち、日常(社会)生活に復帰するためにリハビリに邁進している。