私はなぜ文学者なのか(「나는 왜 문학을 하는가」)

原題
나는 왜 문학을 하는가
著者
コン・ジヨン、ク・ヒョソ、キム・ヨンス、ファン・ソギョン他67人
出版日
2004年12月20日
発行元
ヨルファダン(悦話堂)
ISBN
8930100872
ページ数
317
定価
12,000ウォン
分野
エッセイ

●本書の概略

「私はなぜ文学者なのか」というお題について、現代の韓国を代表する文学者71人が綴ったエッセイ集。2002年3月から2003年10月までの間、『韓国日報』に連載されていた記事を再編集して書籍化した。自らの率直な言葉で綴っているため、どの内容もとても興味深く、幼い頃から文章を読み書きすることが好きだったから、文学がむしろ私を選んだから、何かを記録したかったから等、執筆の理由も71人様々だ。私たちが普段読んでいる文学の著者の背景を知ると、作品そのものを読むだけでは得られないような文学の奥深さに触れることができる。

●日本でのアピールポイント

1人あたり2,3ページで綴られた短編エッセイ集のような構成であるため、文学書を韓国語で読むことに抵抗感のある人や、本書に登場する文学者について、初めて名前を聞くという人でも気軽に読むことができる。執筆者が文学者であるがゆえ、エッセイの中には文学的な表現が多々登場するが、そういった韓国語の文学的表現を勉強したい人にもおすすめの一冊である。最終ページには、71人の文学者全員の略歴や代表作品が掲載されているため、エッセイを読んで気になった人の作品を探してみるのも面白いだろう。また、自分が知っている文学者がどのような背景を持っているのか知ることで、次に作品を読むときに以前とは異なる視点で作品を楽しむことができるかもしれない。韓国での出版が2004年ということもあり、登場する文学者は新進気鋭の作家たちではないが、文学の入門書のような感覚で読んでも良いだろう。

作成:上坂さつき

コン・ジヨン
1963年生まれ。韓国の代表的作家。『サイの角のようにひとりで行け(1998年、新幹社、石坂浩一訳)』を通して、差別や抑圧に関する問題を扱う女性文学、女性主義の門戸を開いた。 受賞 : 2011年 李箱文学賞, 2007年 カトリック文学賞、2004年 呉永寿文学賞、 2002年 韓国小説文学賞、2001年 金埈成文学賞(21世紀文学賞, イス文学賞)最近の作品 :『愛のあとにくるもの』(2006年、幻冬舎、きむふな訳)『トガニ 幼き瞳の告発』(2012年、新潮社、蓮池薫訳) など。全71名