色を呼び出した人々(색을 불러낸 사람들)

原題
색을 불러낸 사람들ー플라톤에서 몬드리안까지
著者
ムン・ウンベ
出版日
2019年7月18日
発行元
アングラピクス
ISBN
9788970590134
ページ数
208
定価
15,000ウォン
分野
人文

●本書の概略

色は、科学、芸術、文学において広く扱われている。本書では、色彩研究に貢献した25人の偉人の逸話を通じて色彩学を分かりやすく解説している。

1部「科学から色を呼び出した人々」編では、色を理解するために実験と研究を重ね、科学的事実を明らかにした13人の話を盛り込んだ。

2部「色に意味を付与した人々」編では、今日認識されている色彩がどのような過程を経て確立されたのかを、芸術家たちの芸術活動を通じて紹介した。また、陰陽五行説を色で表した韓国の伝統色である五方色(黄、青、白、赤、黒)および中間色である相生間色、相克間色の各色について解説した。

色彩の背後にある偉大な研究者や芸術家たちの活動を通して、私たちの想像よりもはるかに深い情熱と努力で色彩が研究されてきたということがわかる。

●目次

1)科学から色を呼び出した人々

プラトンとアリストテレス、ニュートン、ゲーテ、シュヴルール、マクスウェル、マンセル、オストヴァルト、ムーン&スペンサー、パーキン、石原忍、ヤングとヘルムホルツ、フェイバービレン

2)色に意味を付与した人々

アルタミラ洞窟壁画、セーニャ、アンゲラン・カルトン、モネの日傘をさす女、印象派と新印象派、ティエポロの建築物、ボッティチェリのヴィーナスの誕生、モナリザと最後の晩餐、ジョヴァンニ・ベッリーニの聖母マリア、ピカソ、カンディンスキー、クレー、ミロ、ピエト・モンドリアン

●日本でのアピールポイント

現代社会では、人々はインスタグラムなどのSNSを通じて多くの情報を画像の形で交換している。スマートフォン内蔵のカメラはその性能が日々向上しており、画像のわずかな色の違いが議論される段階になってきている。したがって画像の色に対する人々の美的感覚が高まっており、色彩についてのより深い理解が求められている。本書は、色を理解しようとする偉人たちの活動を分かりやすく解説した物語を通じて、色彩を深く理解することができる。

色彩研究に貢献した欧米の偉人を紹介した配色教科書は日本にもあるが、本書はそれに加えて、韓国の伝統色である五方色についても扱っており、より幅広く色を理解することができる。韓国の時代劇に登場する王や貴族は五方色に基づく色鮮やかな服装を着ており、ビビンバや九節板などの料理にも五方色が使われている。本書によって韓国文化をより深く理解することができるだろう。

作成:名村孝

著者:ムン・ウンベ
ソウル大学美術学科と同大学院で視覚デザインと環境デザインを専攻。(財)韓国色彩研究所、梨花女子大学色彩デザイン研究所を経て、(株)ムン・ウンベ色彩デザインを設立。主要研究は、「デジタル色彩パレット研究」「輸出型色彩配色ソフトウェア研究」「韓国地域色抽出と標準感性研究」「色覚異常のためのデジタルプログラム開発」「韓国の伝統色プログラム開発研究」等。著書は「色彩デザイン教科書」「韓国の伝統色」。現在は青雲大学の教授として在職している。