『ほんをよむいぬ』(キム・ミヌ 作/わたなべなおこ 訳/ 303BOOKS)

「字」を覚えた時って、楽しかったんだね、と思いながらページをめくりました。主人公ワンワンが子どもの本から始まって大人の本まで読み進める様子は私たちと同じですね。そしてワンワンが言う「おもしろい おはなしが こんなに たくさん あったんて!」と興奮して話す一言は、そう!そう!と思わず一緒に頷きました。
“本を読んで広がる世界”の喜び、“ページをめくるという楽しみ”を子どもたちに伝えてくれると同時に、大人たちももう一度思い出させてくれる一作です。

翻訳を担当された、わたなべなおこさんから推薦のメッセージを頂戴しました。

作者キム・ミヌさんの愛犬がモデルの、主人公ワンワン。退屈な日々を送っていたワンワンは、字を覚えたことで「本」というどこまでも広がるおもしろい世界を知り、本を読む喜びに目覚めます。キム・ミヌさんの絵本は、子どもたちが外に出て風に吹かれながら新しい経験をするお話が多いのですが、ワンワンは飼い犬だから、生活のほとんどが家のなか。それでも、本さえあれば、家にいながらも楽しめて、冒険へも行ける(ワンワンは表紙で『宝島』を読んでいるのです!)―そんな、ワンワンの見つけた小さくて大きな幸せ。読書好きなら、大人も子どもも、きっと共感できるはずです。本を読むワンワンの味わい深い佇まいにもぜひ注目してください。(わたなべなおこ)

『ほんをよむいぬ』(キム・ミヌ 作/わたなべなおこ 訳/ 303BOOKS)