「書くことは、考えること」の帯文にある通り、ライティング指南の本から「考える」ことの本質を学べる一冊だ。著者ソン・スッキさんは韓国を代表するライティング・コーチで、原書『『150年ハーバード式ライティングの秘密』は韓国内で13万部を超えるベストセラーとなり、小学4年生からできるエッセンシャル版として『作文宿題が30分で書ける! 秘密のハーバード作文法』(岡崎暢子訳、CCCメディアハウス、2024年)も翻訳出版されている。
「文章を書くことは考えることで、考えることは存在し、生きていくことだ。よって文章をうまく書ければ考えるのでうまくなり、考えるのがうまくなれば賢く生きられる。賢く生きる人は、より幸せになる確率が高い」に頷き、「文章をうまく書けるようになりたいと言いながら、文章を書かない人が大半だ。一度書いただけでうまくなるのは不可能だ」に、耳が痛くなるも、早速こうして書きながら、教えを活かさねば、と書き進めている。
翻訳者の中川里沙さんからメッセージを頂戴しました。
本書は、ハーバード大学に伝わる文章術を「O.R.E.O.(オレオ)」公式というメソッドに集約してわかりやすく解説した一冊です。作文、小論文、自己PR、企画書など、私たちが成長するあいだ書くことはずっと身近にありましたが「どうすれば読み手の心を動かす文章を書くか」ということを学ぶ機会はあまり多くなかった気がします。今ではAIに文章を書いてもらう人も増えていますが、「どんな内容を書くか」だけは自ら考えることでより生き生きした文章が書けると著者は述べます。話すことや考えることは、じつは書くことと繋がっています。自分の考えを何らかの方法で伝えたいと思っているすべてのみなさんに、本書がヒントになればうれしいです。
『ハーバードの人生を変えるライティング』(ソン・スッキ 著/ 中川里沙 訳/ かんき出版社)