『私もまだ、私を知らない 自尊感情を高める処方箋』(ホ・ジウォン /著 尹 怡景/訳 祥伝社)

韓国国内で10万部超ベストセラー、心理療法の本は、低い自尊感情、愛情の欠乏、異常な完璧主義、不安や憂鬱など否定的な感情によって、自らを追い詰めてしまいがちな人々に向けた脳科学と心理学からの処方箋です。翻訳者の尹 怡景さんから本書の概要とご紹介メッセージを頂戴しました。

「私もまだ、私を知らない」。
 初めてタイトルを見たとき、「確かにそうだね…」とうなずきながら、軽い気持ちで読み始めました。そして、読み終わって本を閉じた後、思わず涙が込み上げてきました。
 振り返ってみると、私はいつも人生の意味について深く考えすぎていました。どうして、この世に生まれたのだろうか。何のために生きているのか。生まれた意味が見つからない人生って、いったい何の意味があるのかと。偉人伝の偉い人やヒーロー映画の主人公のように、人類を救うための、ものすごく重要で、偉大な使命を背負って生きていくどころか、些細なことにこだわり、一日を適当に過ごしている自分の情けない姿に苦しみ、一晩中眠れず、こっそり泣いていた日もありました。ばかばかしい話ですが、理想と現実のギャップに苦しんでいました。
 そんな中、「どうして生きているか」を悩むより「どうやって生きていくか」と、ものの見方を転換させる必要があると述べる本書のメッセージは私を優しく慰めてくれました。

 本書は脳科学者で臨床心理学者である著者が、科学的根拠のない「偽心理学」とでたらめな自己啓発本が溢れているなか、学術的に検証された知識をより多くの人々に触れるために執筆したものです。自分のことをすなおに受け入れ、与えられた人生をうまく生き抜くためには、酷使された脳と折れそうな心が送るシグナルを受信し治癒しなければなりません。そのため本書は、心の問題を抱えているさまざまな人々のエピソードを紹介し、「脳科学者の物語」と「臨床心理学者の物語」に区分し、脳科学の研究結果を通じて心を傷つける科学的原因を明らかにした上で、カウンセリングの例に基づいて折れた心を優しく慰めています。
 不安と怒り、後悔で眠れない夜を過ごす方も、自己嫌悪や「低い自尊感情」のせいで落ち込んでいる方も、ぜひ本書を手に取り、心を癒すための処方箋をもらってみませんか?

『私もまだ、私を知らない 自尊感情を高める処方箋』(ホ・ジウォン /著 尹 怡景/訳 祥伝社)