明石書店の「世界人権問題叢書」シリーズから『北アイルランド統合教育学校紀行 分断を越えて』(姜淳媛/著、 藤原孝章/ 監修、 米澤清恵/訳)が出版されました。
アイルランド文学の研究をはじめ、韓国では朝鮮半島とアイルランドの状況を歴史的観点から比較する研究がよく行われています。
著者の姜淳媛氏は平和教育の研究者として韓国で著名な方です。その姜淳媛氏が20年間にわたり北アイルランドを訪問し、分断克服の平和教育を研究した成果が本書です。
英国植民地政策の結末として引き起こされた紛争によって、国家さらに国内を分断された歴史をもつ北アイルランド。対立と暴力の連鎖からの克服を目指した北アイルランドの平和運動や、統合教育の取り組みなどを、多くの関係者へインタビューすることで詳らかにしています。
分断と対立が世界各地に広がっている現在、国と国による合意ではなく、市民による分断克服のための平和教育がいかに世界にとって有効であり、未来志向であるかを学べる一冊です。