『カラー版 世界書店紀行 ──本は友を呼び 未来を拓く──』(金彦鎬/ 著  舘野晳/ 監修  共訳:山田智子・宗実麻美・水谷幸恵 出版メディアパル)

『カラー版 世界書店紀行 ──本は友を呼び 未来を拓く──』(金彦鎬/ 著  舘野晳/ 監修 共訳:山田智子・宗実麻美・水谷幸恵 出版メディアパル)が出版されました。45年にわたって数千冊の本を出版し、自身で書店も営むハンギル社の金鍋彦社長が、未知なる本の世界と美学を探検する旅に出かけてまとめた「出版人の巡礼記」(「本で花ひらく私たちの友情ーー日本の読者の皆さんへ」より)です。各書店の書店員の言葉や、古今東西の賢者による言葉も引用しながら、書店や読書の役割について様々な角度から語っています。監修者の舘野晳さんよりメッセージを頂戴しましたのでご紹介します。

このたび美しく心躍る本が刊行された。本づくりには私自身も参加しているので、つい力が入ってしまうが、努めて客観的に内容の紹介をしてみたい。
著者・金彦鎬氏の人柄や業績については、日本ではあまり知られていない。けれども韓国では出版界を担うひとりとして知名度が高く、メディアの文化欄ではお馴染みの人物である。その金彦鎬氏が30年にわたって韓国、ヨーロッパ、アメリカ、中国、日本と、世界各地の有名書店、個性派書店、著名な書店経営者を訪ねる旅を続けてきた。この積み重なった書店の視察実績のうち優れた22書店が本書において紹介されている。読み進めていくうちに、著者とともに各書店のざわめきや匂いに囲まれ、掲載のカラー写真が臨場感を一層高め、新たな発見をする思いに駆り立てられる。
本書はありきたりの「書店紀行」ではない。ここには著者の出版と書店に対する哲学と愛情がある。デジタル化へと一斉になびくこの時代において、紙の本の孤塁を必死に守ろうとする著者の固い信念に同調せずにはいられなくなるだろう。(舘野皙)

『カラー版 世界書店紀行 ──本は友を呼び 未来を拓く──』(金彦鎬/ 著  舘野晳/ 監修 共訳:山田智子・宗実麻美・水谷幸恵 出版メディアパル)