『屋上で会いましょう』(チョン・セラン/著 すんみ/訳 亜紀書房)

亜紀書房「チョン・セランの本」シリーズ2冊目の『屋上で会いましょう』(すんみ/訳)。軽やかな文体、ポップな装幀が目をひきますが、9篇の物語すべての根底には女性が抱える様々な苦悩、現代社会の不条理さが描かれています。その苦悩に立ち向かう女性たちはみな魅力的で、友人になれたらとても楽しそうです。
チョン・セランさんの人物描写には定評がありますが、2年前にソウルで開かれたトークイベントで、人物の描き方などの創作秘話を語っていました。翻訳家の清水知佐子さんが当サイトでレポート(「作家チョン・セランの愛読書と人物の描き方」)してくれています。

さて、訳者のすんみさんにメッセージを寄せていただきましたのでご紹介します。

自由な想像力が魅力的な作家、チョン・セランによる初の短編集です。「つらい」「もう我慢できない」と思ったときの愉快な逃げ方が盛りだくさん。これがダメならあれでいいじゃないか! そんな楽しい気持ちになれる小説が9編も収録されています。既存の価値観や社会制度などの「内部」からは見えない、開かれた場所としての「屋上」。常識、慣習といったものから自由になれるあなたの「屋上」を見つけてください。ぜひ、屋上で会いましょう!(すんみ)

『屋上で会いましょう』(チョン・セラン/著 すんみ/訳 亜紀書房)