教保文庫の7月のエッセイ月間ベスト10と注目の近刊情報をご紹介します。キム・フンの新作エッセイ『허송세월(虚送歳月)』が今月も1位をキープしています。注目の近刊では、『詩と散策』(橋本智保訳、書肆侃侃房)で知られるハン・ジョンウォンのエッセイを紹介しました。
1位:『허송세월(虚送歳月)』キム・フン(ナナム/2024.06.20)
2位:『나는 메트로폴리탄 미술관의 경비원입니다(私はメトロポリタン美術館の警備員です)』パトリック・ブリンリー/キム・ヒジョン、チョ・ヒョンジュ訳(ウンジン知識ハウス/2023.11.24)
3位:『기분이 태도가 되지 말자(気分が態度にならないように)』キム・スヒョン(ハイスト/2022.11.25)
4位:『보편의 단어(普遍の単語)』イ・ギジュ(マルグルト/2024.01.11)
5位:『꽃길이 따로 있나, 내 삶이 꽃인 것을(花道は他にあるわけではない、自分の人生が花なのだ)』オ・ピョンソン(フォレストブックス/2024.03.22)
6位:『당신은 결국 무엇이든 해내는 사람(君は結局何でもやり遂げる人)』(10万部記念特別リカバーエディション)キム・サンヒョン(Feelm/2022.04.20)
7位:『무정형의 삶(無定形の生き方)』キム・ミンチョル(ウィズダムハウス/2024.07.10)
著者は、20年間コピーライターとして広告代理店で働いてきましたが、スピードと効率に囚われた生活に終止符を打ち、フランスへと旅立ちました。そこで「無定形の時間」を取り戻した著者は、多くの「無定形の生き方」との出会いを通じて自分自身を見つめます。著者の視点を通して、パリやフランスの田舎町の四季を感じられるのも魅力的です。
8位:『찌그러져도 동그라미입니다(ペチャンコになってもマルです)』キム・チャンワン(ウンジン知識ハウス/2024.03.28)
9位:『힐빌리의 노래(ヒルビリー・エレジー)』J・D・ヴァンス著、キム・ボラム訳(フルム出版/2017.09.04)
アメリカでミリオンセラーとなった、無名の弁護士の回想録。貧しい白人労働者階層の文化とその悲惨な日常を描いた本書は、トランプ現象を読み解く一冊 として話題になり、2020年には映画化されました。邦訳書『ヒルビリー・エレジー』(関根光宏・山田文訳、光文社、2022)も出版されています。
10位:『진짜 나를 찾아라(本当の自分を探せ)』法頂(セムト/2024.04.30)
종합 월간 베스트셀러 – 교보문고 (kyobobook.co.kr)
注目の近刊
『내가 네번째로 사랑하는 계절(4番目に好きな季節)』ハン・ジョンウォン(ナンダ/2024.08.15)
『詩と散策』(橋本智保訳、書肆侃侃房、2023)から4年ぶりとなる新作エッセイが、まもなく発売されます。12名の詩人が1か月ごとに作品をつないでいく「時宜適切」シリーズの8つ目に位置付けられた本書には、「8月」にまつわるストーリー、「8月」を通して見つめた感情、「8月」の風景などについて書かれた繊細な31のエッセイが収められています。(文/金知子)