教保文庫、11月の月間ベストと注目の新刊(韓国通信)

教保文庫の11月の月間ベスト10(国内小説)と注目の新刊情報をご紹介します。1位はチョン・ジアの『父の解放日誌』です。日中韓を含むアジア9都市9人の作家が同一のテーマで書き下ろした作品を編んだアンソロジー『絶縁』が韓国でも発売されました。

1位:『아버지의 해방일지(父の解放日誌)』チョン・ジア著(チャンビ/2022.9.2)
2位:『불편한 편의점(不便なコンビニ)』(40万部記念 桜エディション)キム・ホヨン著(ナムヨップウィジャ/2021.4.20)
3位:『불편한 편의점 2(不便なコンビニ2)』(紅葉エディション)キム・ホヨン著(ナムヨップウィジャ/2022.8.10)
4位:『하얼빈(ハルピン)』キム・フン著(文学トンネ/2022.8.3)
5位:『데뷔 못 하면 죽는 병 걸림(デビューできなかったら死ぬ病気にかかった』(第1部初版限定グッズボックスセット)ペク・トクス著(ウィッシュボックス/2022.12.8)
架空のアイドルの物語にファンタジー要素も加わった人気ウェブ小説が書籍化されました。単行本2冊にマウスパッド、ポスター、専用ケースなどがセットになっています。
6位:『모순(矛盾)』(ハードカバー)梁貴子(ヤン・グィジャ)著(スダ/2013.4.1)
7位:『어서 오세요, 휴남동 서점입니다(いらっしゃいませ、ヒュナム洞書店です)』(夏の森エディション)ファン・ボルム著(クレイハウス/2022.1.17)
8位:『구의 증명(クの証明)』チェ・ジニョン著(ウネンナム/2015.3.30)
9位:『이토록 평범한 미래(これほどまでに平凡な未来)』キム・ヨンス著(文学トンネ/2022.10.7)
10位:『달러구트 꿈 백화점(夢を売る百貨店 本日も完売御礼でございます)』(レインボーエディション)イ・ミイェ著(ファクトリーナイン/2020.7.8)

注目の新刊は以下のとおりです。

『녀석의 깃털(あいつの羽根)』ユン・ヘヨン著(ピリョンソ/2022.11.18)
童話『地球少年報告書』で2022昌原児童文学賞を受賞した著者によるYA小説集です。聴覚、視覚、嗅覚、触覚といった感覚を呼び覚ます、表題作含む6編が収録されています。

『크리스마스 타일(クリスマスタイル)』キム・グミ著(チャンビ/2022.11.25)
『あまりにも真昼の恋愛』(すんみ訳/晶文社)で知られるキム・グミの連作小説です。懸命に愛し、別れたすべての人のための小説7編が収録されています。

『니니코라치우푼타(ニニコラチウプンタ)』(2022第16回金裕貞文学賞受賞作品集)ク・ビョンモほか6人(カン/2022.11.28)
第16回金裕貞文学賞を受賞したク・ビョンモ著「ニニコラチウプンタ」は、約30年後の近未来が舞台の小説です。そのほか、受賞候補にあがったキム・ヘジン、パク・チヨン、ペク・スリン、シム・アジン、イ・ギホ、チャン・ヘリョンの作品を収録しています。

『바람의 독서법(風の読書法)』キム・ソニョン著(子音と母音/2022.12.1)
第1回子音と母音青少年文学賞受賞作『時間を売る店』の著者キム・ソニョンの初の小説集です。不思議な能力を手にした子どもが登場する表題作をはじめ、青少年にエールを送るような作品全5編が収録されています。

『절연(絶縁)』チョン・セラン、村田沙耶香ほか計9名(文学トンネ/2022.12.5)
日中韓を含むアジア9都市9人の作家が「絶縁」というテーマで書き下ろした作品を編んだという、前代未聞のアンソロジーです。日韓同時発売で、日本では小学館からオーディオブックが発売中、書籍も12月16日に発売予定です。絶縁プロジェクトのビハインドストーリーは小学館のポータルサイトで詳細に紹介されています。(文/牧野美加)