教保文庫、8月の月間ベストと注目の新刊(韓国通信)

教保文庫の8月の月間ベスト10(国内小説)と注目の新刊をご紹介します。『ダラグート 夢の百貨店』とその続編が1、2位を占めました。新刊では、ハン・ガンの5年ぶりとなる長編小説が大きな注目を集めています。

1位:『달러구트 꿈 백화점2(ダラグート 夢の百貨店2)』イ・ミイェ著(ファクトリーナイン/2021.7.27)
2位:『달러구트 꿈 백화점(ダラグート 夢の百貨店)』(50万部記念ドリームエディション)イ・ミイェ著(ファクトリーナイン/2020.7.8)
3位:『완전한 행복(完全な幸福)』チョン・ユジョン著(ウネンナム/2021.6.10)
4位:『밝은 밤(明るい夜)』チェ・ウニョン著(文学トンネ/2021.7.27)
5位:『불편한 편의점(不便なコンビニ)』キム・ホヨン著(ナムヨップウィジャ/2021.4.20)
6位:『지구 끝의 온실(地球の果ての温室)』キム・チョヨプ著(ジャイアントブックス/2021.8.18)
7位:『아몬드(アーモンド)』ソン・ウォンピョン著(チャンビ/2017.3.31)
8位:『종의 기원(種の起源)』チョン・ユジョン著(ウネンナム/2016.5.16)
9位:『모순(矛盾)』梁貴子(ヤン・グィジャ)著(スダ/2013.4.1)
10位:『우리가 빛의 속도로 갈 수 없다면(私たちが光の速度で進めないなら)』キム・チョヨプ著(ホブル/2019.6.24)
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注目の新刊は以下のとおりです。
『작별하지 않는다(別れは告げない)』ハン・ガン著(文学トンネ/2021.9.9予定)
『횐』(『すべての、白いものたちの』斎藤真理子訳/河出書房新社)以来5年ぶりとなる長編小説。済州四・三事件を題材にした作品です。

『일주일(一週間)』チェ・ジニョン著(子音と母音/2021.9.1)
教会付属の幼稚園で知り合った3人はやがて別々の高校に進学し、毎週顔を合わせていた日曜日の風景にも変化が訪れる――という「日曜日」に続き、「水曜日」「金曜日」へと物語は展開します。今の十代たちの「一週間」の表情を描きます。

『도서관 런웨이(図書館ランウェイ)』ユン・ゴウン著(現代文学/2021.8.25)
今年6月、英国の翻訳推理小説賞を受賞した『夜の旅人たち』の著者による初の長編小説。行方不明となった友人の足跡を追うなかで偶然目にした「安心結婚保険約款集」をめぐるミステリアスな物語。愛を永遠に持続させるための行為としての結婚やその後の人生をリアルに描き、現代における愛と結婚の意味を考えさせます。

『마음의 주인(心の主人)』イ・ギジュ著(マルクルト/2021.8.17)
韓国でベストセラーとなり、日本でも翻訳出版された『言葉の品格』『言葉の温度』(いずれも米津篤八訳/光文社)の著者による新作エッセイ集。「人生の問題の多くは、心を失うところから生まれるのではないか」という問いに答えつつ、人生の意味や「心」を見つめます。(文/牧野美加)