【K-BOOK振興会便り】読書の秋、到来。K-BOOKイベントも盛りだくさんです。

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K-BOOK振興会便り  2022年9月号
http://k-book.org/
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◆◇今月のTOPIK◇◆

●今月のイベントをご紹介します。

9月8日:【本屋B&B オンライン】
イ・ラン×いがらしみきお
「その後いかがお過ごしでしょうか?」
『何卒よろしくお願いいたします』
(タバブックス )刊行記念

https://bookandbeer.com/event/bb220908b_siod/

9月14日:【NHKカルチャー京都教室=オンライン】
植民地期・朝鮮の詩を読む
第1回 金素月と白石
講師:天理大学国際学部外国語学科韓国・朝鮮語専攻教授 熊木勉
https://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_1250428.html

9月19日:【twililight 会場開催】
斎藤真理子+前田エマ『すべての、白いものたちの』
https://ignitiongallery.tumblr.com/post/692912114234441728/

9月25日:【本屋B&B 会場またはオンライン】
ファン・モガ×廣岡孝弥
「日韓、昔あそびから繋がる世界」
『モーメント・アーケード』(クオン)
電子書籍『透明ランナー』W刊行記念
https://bookandbeer.com/event/bb220925a_mukashiasobi/

 

◆◇日本語で読みたい韓国の本◇◆

エッセイ 『幸せは目の前に(좋은 건 다 네 앞에 있어)』
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●仏教の教えをわかりやすく伝える僧侶ソンジョンによる著書。不運や不幸ではなく、本来目の前にあるはずの幸せに目を向けるよう、
仏教の視点から生き方を説いてくれる名著。

現役の僧侶による著作であるが、仏教特有の難解な概念は用いられていない。よき人生を送る秘訣は、
「ただひたすら、身近な幸せ、家族や友人、恋人といった周囲のひとたちに感謝し、愛を捧げ、誠実に生きること」と説く。
人間関係や自然の摂理を例に挙げながら、読者に優しく語りかけるような文体で綴られた人生の指南書。

幸せは目の前に(좋은 건 다 네 앞에 있어)

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絵本 『さよなら(잘 가)』
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●「アニマルライツ(動物が動物らしく生きる権利)」がテーマの絵本。この世を去った飼い猫に語りかけるかたちで、
その猫との日々を通して考えるようになった動物たちのことが描かれている。

人間によって自由を奪われたまま命を終えた動物たちの話を見開きのページにひとつずつ挙げていき、申し訳なく思う気持ちを込めて、
「さよなら、きみたちのことを忘れない」と語りかける。檻から出た瞬間に銃殺されたピューマ、山火事で焼け死んだコアラ、
暑い気候に苦しみながら動物園で生きたホッキョクグマ、閉じ込められた鳥、水槽に閉じ込められたイルカなど。
これらの動物たちが悲しみを帯びた幻想的なタッチで描かれている。

さよなら(잘 가)

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人文書 『オ・ウニョン博士の「和解のヒント」(오은영의 화해)』
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●韓国で「国民的子育てメンター」と呼ばれる精神科医オ・ウニョンによる、過去の自分と和解するための手引き書。
親による暴力、支配、過干渉などで傷つけられた人たちの心を癒し、彼らが自分の内面と向き合うための勇気を与えてくれる一冊。

「親は子どもを愛していると言いますが、全ての親が精神的に成熟しているわけではありません」
2016年から韓国日報のウェブ誌面に心理相談コラムを連載してきた著者が、数多くの相談事例を通じて読者が抱える問題の原因を解き明かし、
次のステップへ進むための具体的な方法を説く。

オ・ウニョン博士の「和解のヒント」(오은영의 화해)

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自己啓発『このまま進もう、体力だけはまだあるから(계속 가봅시다 남는 게 체력인데)』
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●50歳でシリコンバレーへの挑戦を決めた著者による、30歳から約20年間の自己変革の記録。

学生のころから内向的で自分に自信がなかった著者は、夫のアメリカ留学への同行を機に、
自分を好きになれるよう生まれ変わるための「ボーン・アゲイン・プロジェクト(Born Again Project)」を始める。
様々な失敗談を赤裸々に語りながら、大きな目標の達成のためには細く長く続ける底力が大切だとして、
才能やセンスよりもこつこつ続ける力を身に着けるために心と体の筋力を鍛える重要性やその鍛え方を説く。

このまま進もう、体力だけはまだあるから(계속 가봅시다 남는 게 체력인데)

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◆◇日本語で読める韓国の本◇◆

『ひこうき雲』(キム・エラン/著、古川綾子/訳、亜紀書房)
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亜紀書房から新しく始まった韓国文学のシリーズ〈キム・エランの本〉。第1弾は、『ひこうき雲』(古川綾子訳)です。
BTSのRMさんも愛読し、韓国で17万部の大ベストセラー小説集。苦しい状況にある登場人物たちの心象描写がとても美しい。
訳者の古川綾子さんによるメッセージをご紹介しました。

『ひこうき雲』(キム・エラン/著、古川綾子/訳、亜紀書房)

『君という生活 』(キム・ヘジン /著、 古川 綾子/訳、筑摩書房)
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現代社会のゆがみを疎外されている人々の視点で描いてきたキム・ヘジンによる短編集『君という生活』(古川綾子訳、筑摩書房)。
互いに親しいと思っていた「君」と「私」が、住宅問題や経済格差などさまざまな問題によってすれ違っていく様子が多彩に繊細に描かれています。
訳者の古川綾子さんによるメッセージをご紹介しました。

『君という生活 』(キム・ヘジン /著、 古川 綾子/訳、筑摩書房)

『夢を売る百貨店 本日も完売御礼でございます』(イ・ミイェ/著、鈴木沙織/訳、文響社)
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2021年最大手の総合書店、教保文庫(キョボムンゴ)「2021年間ベストセラー」1位に輝いた作品。
夢を売る不思議な「ドルグート夢百貨店」で繰り広げられる9つの物語。ファンタジー小説のだいご味をたっぷり味わえる作品です。
訳者の鈴木沙織さんによるメッセージをご紹介しました。

『夢を売る百貨店 本日も完売御礼でございます』(イ・ミイェ/著、鈴木沙織/訳、文響社)

『さすらう地』(キム・スム/著、岡裕美/訳、姜信子/解説、新泉社)
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スターリン体制下にあった1937年、極東の沿海州から中央アジアへ貨車で強制移住させられた朝鮮半島出身者、高麗人(コリョサラム)。
この高麗人の強制移住を題材に描かれた小説。姜信子さんによる解説も収録されており、中央アジアの朝鮮人(高麗人)と中央アジアへの理解が深まります。
訳者の岡裕美さんによるメッセージをご紹介しました。

『さすらう地』(キム・スム/著、岡裕美/訳、姜信子/解説、新泉社)

『プリズム』 (ソン・ウォンピョン/著、矢島暁子/訳、祥伝社)
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2020年に『アーモンド』で、そして2022年『三十の反撃』で「本屋大賞」翻訳小説部門で史上初2冠の快挙をなした作家ソン・ウォンピョンの新作邦訳。
4人の男女の揺れ動く移ろいを繊細に描いた、大人の恋の物語。初の恋愛小説です。訳者の矢島暁子さんによるメッセージをご紹介しました。

『プリズム』 (ソン・ウォンピョン/著、矢島暁子/訳、祥伝社)

◆◇ 韓国の出版・本屋事情 ◇◆

教保文庫、7月の月間ベストと注目の新刊、近刊(韓国通信)
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教保文庫の7月の月間ベスト10(国内小説)と注目の新刊情報をご紹介しました。長く上位を占めている『불편한 편의점(不便なコンビニ)』の続編をはじめ、
パク・サンヨンの『믿음에 대하여(信じることについて)』、キム・フンの『하얼빈(ハルピン)』など、日本でも人気の作家の新作が続々と刊行されています。

教保文庫、7月の月間ベストと注目の新刊(韓国通信)

◆◇8月のK-BOOKらじお◇◆

韓国の本=K-BOOKを愛する皆さんに、日本で刊行された翻訳本の新刊情報やイベント情報、韓国現地からの情報、
そして読者の皆さんの声をご紹介するインターネットラジオ「K-BOOKらじお」は、Apple Podcast、Spotify、YouTubeで毎週金曜日 朝9時配信中!
ぜひお好みのプラットフォームで番組登録をお願いします。

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♯10 韓国ベストセラーNo.1小説を担当した一柳沙織さん―ファンタジー・冒険ものが好きだと公言してたんです
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♯11 「文学ラジオ空飛び猫たち」に聞く―記念すべき1回目のテーマ本が『ギリシャ語の時間』でした
http://k-book.org/news/radio_11/

♯12 麗子さんの韓国便り-映画『別れる決心』オリジナル脚本集と金薫作家新作に注目集まってます
http://k-book.org/news/radio_12/

♯]♯13 初の単著翻訳に挑んだ瀧澤織衣さん―翻訳をやってみて「日本語力」が必要だと改めて痛感しました
http://k-book.org/news/radio_13/

__おしまいに____________________

梨がおいしい季節になりました。韓国では梨を料理によく使います。牛肉の炒め物に梨のすりおろしを混ぜたり、梨を煮詰めてシロップにしたり。
梨は疲労回復にいいそうです。季節の変わり目ですので、皆様どうぞご自愛ください。

(運営委員:五十嵐真希)

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発行:一般社団法人 K-BOOK振興会

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