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K-BOOK振興会便り 2022年5月号
http://k-book.org/
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◆◇今月のTOPIK◇◆
●2022ソウル国際図書展が6月1日から5日まで開催されます。
広報大使は、ウン・ヒギョンさん、キム・ヨンハさん、コルソン・ホワイトヘッドさん。
キム・ヨンハさんは「本は建築物である」、ウン・ヒギョンさんは「文学で人を読む」と題して、それぞれ講演を行います。
また、国際アンデルセン賞・画家部門を受賞したイ・スジさんも講演を行う予定です。
https://sibf.or.kr/2022/
https://www.instagram.com/sibf__2022/
◆◇日本語で読みたい韓国の本◇◆
エッセイ 『いや、こんなご時世に誰が(아니 요즘 세상에 누가)』
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●「非婚者」の著者が語る多様な生き方とマイノリティの声なき声
作家、ディレクター、コラムニスト、大工、出版社社長など多くの肩書を持つ著者のクァク・ミンジ。
「結婚すること」を当然視する世の中に、非婚者である「私」の声を届けようと始めたのが、
自分が制作・進行を手掛ける『非婚ライフ可視化ポッドキャスト、非婚の世界』。
本書は、この放送がきっかけとなって出されたエッセイ集です。
自分自身を愛しながら、選択した道に責任を持って生きていくためのヒントが散りばめられていて、
「非婚者」ではない読者でも共感できる部分が多くあります。
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エッセイ 『일기 日記 -ファン・ジョンウンエッセイ(일기-황정은 에세이)』
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●人気小説家ファン・ジョンウンの初エッセイ集
コロナ禍の韓国の様子、同居人と暮らすパジュ市での生活、読書で使う栞と紙の書籍に対するこだわり、
毎年恒例にしているセウォル号引き揚げ地の木浦行きなどを綴った11編のエッセイが収められています。
『野蛮なアリスさん』『ディディの傘』『年年歳歳』など、邦訳された小説に関するエピソードが登場しますので、
読んだことのある読者にとっては作品を掘り下げる楽しみとなり、まだ読んでいない読者にとっては
その作品を手に取るきっかけにもなるエッセイ集です。
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YA 『ナナ(나나)』
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●『ペイント』の著者イ・ヒヨンの新作長編小説
18才のハン・スリと17才のウン・リュウ。
ある日、交通事故で病院に搬送された二人は、知らない男の声で目を覚ます。
事故の衝撃で体から魂が飛び出てしまっていた。その男から、一週間以内に魂が体に戻らなければ、
あの世にいってしまうと告げられる。しかし、魂はそう簡単に自分の体に戻ろうとせず、
二人は「魂をもたない自分」の日常を観察することに。体から離れた魂だからこそ見えてくるものがある。
それは自分の本当の気持ち。体と魂は互いを理解しながら徐々にその距離を縮めていき、二人の魂は無事に自分の体に戻る。
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絵本 『大きな木の葉(커다란 나무잎)』
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●大きな木の葉が教えてくれる「自然の恵み」と「助け合い」
だれもが見過ごしてしまいがちな小さい生き物に関心をもつ著者のパク・ウンギョン。
作品にもたくさんの植物や生き物が登場します。木の葉の家と生き物たちから、
自然の恵み、互いに助け合う優しさが伝わってくる絵本です。
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◆◇日本語で読める韓国の本◇◆
『かたつむり』(キム・ミヌ/作、わたなべなおこ/訳、あすなろ書房)
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お兄ちゃんから遅れをとってしまって、自分のことが情けなくなってしまう男の子と、
ゆっくり歩くカタツムリのお話。訳者のわたなべなおこさんによるメッセージをご紹介しました。
『BTSを哲学する』(チャ・ミンジュ/著、桑畑優香/訳、かんき出版)
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BTS が他のアイドルグループと一線を画す理由について、古今東西の哲学者から考察した、
ARMYと哲学の入門書として押さえておきたい一冊。「BTSを哲学する」本でもあり、「BTSで哲学する」本でもあります。
訳者の桑畑優香さんによるメッセージをご紹介しました。
『僕の狂ったフェミ彼女』(ミン・ジヒョン/ 著、加藤慧/訳、イースト・プレス)
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韓国でドラマ化・映画化が決定し、日本でも発売されるや話題沸騰中の作品。
初恋の彼女に再会して心ときめかせたら、彼女はフェミニストになっていた。
主人公の僕の視点で、2人の恋愛模様が描かれます。
社会を変えたいという彼女の強い思いと、それを理解できず無自覚なままの僕。2人の関係はどうなるのか。
訳者の加藤慧さんによるメッセージをご紹介しました。
『チェリーシュリンプ わたしは、わたし』(ファン・ヨンミ /著、吉原育子/ 訳、げみ/ 装画、金の星社)
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韓国の10代女子の日常、心情を鮮やかに描きだすことで、すべての10代を応援するYA小説。
韓国で13万部突破の話題作です。訳者の吉原育子さんによるメッセージをご紹介しました。
◆◇ 韓国の出版・本屋事情 ◇◆
教保文庫、3月の月間ベストと注目の新刊、近刊(韓国通信)
教保文庫の3月の月間ベスト10(国内小説)と注目の新刊情報を紹介しました。
オカルトミステリー『シフト』で2016年「教保文庫ストーリー公募展」を受賞したチョ・イェウンの短編集が8位に。
ブッカー国際賞の最終候補、チョン・ボラ『呪いのウサギ』の改訂版も刊行されました。
__おしまいに____________________
「四月も 行き/澄んだ小川に 花一輪/ふわふわ 流れて/わたしも行くとしよう」
李秉珏の詩「五月」(金時鐘訳『再訳 朝鮮詩集』)の一節です。小川に流れる花はチンダルレ(つつじ)でしょうか。
流れに身を任せ、美しい5月を過ごしていきたいと思っています。
(運営委員:五十嵐真希)
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