【K-BOOK振興会便り】小泉今日子さんのポッドキャスト「ホントのコイズミさん」に翻訳者・斎藤真理子さん登場!

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K-BOOK振興会便り  2022年4月号
http://k-book.org/
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◆◇今月のTOPIK◇◆

●小泉今日子さんのポッドキャスト「ホントのコイズミさん」で、「韓国文学の翻訳者、斎藤真理子さんとのお話。」前後編が配信中です。
韓国文学の魅力はもちろんのこと、韓国ドラマや映画についてもお話が盛り上がります。

https://hontonokoizumisan.303books.jp/ep/49#content

https://hontonokoizumisan.303books.jp/ep/50#content

 

◆◇日本語で読みたい韓国の本◇◆

絵本 『ぼくのパパはね・・・(우리 아빠는요)』
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●こどもの目線から描いた、休日の父子の物語。

韓国の保健福祉省が主催した「2021家族親和文化拡散のための絵本コンテスト」で大賞を受賞した作品です。
平日は忙しく一緒の時間をなかなか過ごせないお父さんと、念願かなって、キャンプに出かけたぼく。
渋滞も気にならないし、キャンプ場でのお父さんはスーパーマンみたいです。子どもの目線で描かれた絵本ですが、
その目を通して、わが子を大切に思う親の気持ちも十分に感じられます。
黄色を基調としていて、内容も絵もあたたかみのある絵本です。

ぼくのパパはね・・・(우리 아빠는요)

 

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小説 『ずっと前、家を離れたとき(오래전 집을 떠날 때)』
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●シン・ギョンスクが綴った、孤独な人たちの物語
1996年に出版されたシン・ギョンスク3冊目の短篇集を加筆修正し、装丁も新たにして出版されたもの。写真家や小説家、ギタリストなど、芸術に身を置く孤独な人たちが織りなす怖くて美しい幻想的な物語が集められています。シン・ギョンスクの美しい文章が心に響く短篇集です。

ずっと前、家を離れたとき(오래전 집을 떠날 때)

 

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エッセイ 『真摯な愛(부지런한 사랑』
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●イ・スラが講師をつとめる文章教室でのエピソードを綴ったエッセイ集。

小学生から大人の女性まで様々な年齢の生徒たちが、文章を通して真摯に自分自身と向き合う姿から著者自身もさまざまなことを受け取り、それらに対し誠実に答えていく姿が綴られています。小学生の兄弟や麗水(ヨス)文章教室の生徒などの文章が多く引用されている点も特徴的です。子どもたちのエピソードを中心に約30編を収録。コロナ禍で人対人の交流が希薄になっている時期だからこそ「人との向き合い方」、そして自粛により一人時間が増えた今、自分自身の「日常」について改めて考えるキッカケになる一冊にもなるでしょう。

真摯な愛(부지런한 사랑)

 

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人文 『心理学がこんなにおもしろいなんて(심리학이 이토록 재미있을 줄이야)』
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●童話や昔話を心理学の視点から読み解く

心理相談のスペシャリストである著者リュ・ヘインが、「心理学をもっと多くの人に身近に感じて欲しい」という思いから書いた一冊。童話や昔話を心理学の視点から読み解いていきます。登場人物の心理や行動を解説したあとで、具体的な実験や研究結果、時には有名人のインタビューやエンタメ作品なども取り上げながら人間の深層心理に切り込むという構成になっています。「人魚姫はなぜ捨てられるとわかっていながら王子様を選んだのか―」、「アリがキリギリスのように『今』を楽しんでいれば―」など、多くの人が子どもの頃に読んだであろう物語を、皮肉まじりに今までとは異なった視点から分析する姿には爽快感を感じます。日常生活へのアドバイスも豊富。

心理学がこんなにおもしろいなんて(심리학이 이토록 재미있을 줄이야)

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◆◇日本語で読める韓国の本◇◆

『BLONOTE』(タブロ/著、清水知佐子/訳、世界文化社)
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BTSのRMなど韓国のアーティストたちに大きな影響を与えているヒップホップグループEPIK HIGHのリーダー・TABLO(タブロ)によるメッセージ集。様々な活躍に裏打ちされたタブロの文学を心ゆくまで堪能できます。訳者の清水知佐子さんによるメッセージをご紹介しました。

『BLONOTE』(タブロ/著、清水知佐子/訳、世界文化社)

 

『イスラーム精肉店』(ソン・ホンギュ/著、橋本智保/訳、新泉社)
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著者ソン・ホンギュが朝鮮戦争をテーマにした長篇小説を書こうと、兄弟国として参戦した国に思いを馳せ、悲惨な傷と恥部に向き合ってつくりあげた物語。韓国でロングセラー、英語版とトルコ語版も出版された話題作です。訳者の橋本智保さんによるメッセージをご紹介しました。

『イスラーム精肉店』(ソン・ホンギュ/著、橋本智保/訳、新泉社)

 

『にんじんようちえん』(作:アンニョン・タル、訳:ひこ・田中、ポプラ社)
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『すいかのプール』(斎藤真理子訳、岩波書店)で、そのやわらかなタッチで描かれた優しい絵とちょっとユーモラスで温かいストーリーが日本の読者の心を掴んだ韓国の絵本作家アンニョン・タルさんの2冊目の邦訳本です。主人公の「とげとげウサギの子」と大きな大きな「クマせんせい」のお話。訳者のひこ・田中さんによるメッセージをご紹介しました。

『にんじんようちえん』(作:アンニョン・タル、訳:ひこ・田中、ポプラ社)

 

◆◇ 韓国の出版・本屋事情 ◇◆

教保文庫、2月の月間ベストと注目の新刊、近刊(韓国通信)

教保文庫の2月の月間ベスト10(国内小説)と注目の新刊情報を紹介しました。2015年に刊行されたチェ・ジニョン著『クの証明』が、読者の口コミで話題を集めています。SF作家キム・ボヨンの短編集2冊にも注目です。

教保文庫、2月の月間ベストと注目の新刊、近刊(韓国通信)

 

__おしまいに____________________

「子どもの本のノーベル賞」ともいわれる、国際アンデルセン賞・画家部門を、絵本作家のイ・スジ(スージー・リー)さんが受賞されました。私も『せん』(岩波書店)が大好きです。
岩波書店のWEBマガジン「たねをまく」で、来日公演のレポートが公開されています。
https://tanemaki.iwanami.co.jp/posts/2825

(運営委員:五十嵐真希)

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